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2005 年度 実績報告書

社会性ハチ類の行動を統御する情報化学物質群の解明とその応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380038
研究機関玉川大学

研究代表者

小野 正人  玉川大学, 農学部, 教授 (70204253)

キーワードスズメバチ類 / マルハナバチ類 / 情報化学物質 / フェロモン / カイロモン / 固相マイクロ抽出法 / 昆虫類 / ハチ目
研究概要

当初の研究計画に基づき社会性ハチ類の中からマルハナバチ類とスズメバチ類を選択し、初年度としてまず基礎的知見の集積に努め以下の成果を得た。
1)マルハナバチ類の中から、農業におけるポリネーターとして応用的にも注目されているクロマルハナバチ・オオマルハナバチ、セイヨウオオマルハナバチのフェロモン分泌腺を精査し、雄蜂の下唇腺より各々の種を特徴づける多量の揮発性香気成分を検出した。
2)マルハナバチ類から検出された揮発性化合物は、ファルネソールやシトロネロールなどで、花香成分とも構造的に近い成分が多く検出され、植物と昆虫の共生系に係わるあらたな仕組みの解明につながるヒントが得られた(日本応用動物昆虫学会第50回大会講演で発表、論文投稿準備中)。
3)スズメバチ類に関しては、主に捕食者と被食者の相互作用に介在する化学物質に関して研究を展開した。捕食者オオスズメバチが巣仲間を集めて集団攻撃を行う際に分泌する餌場マークフェロモンを、被食者キイロスズメバチが感知すると巣仲間認識の精度に変化が生じることが強く示唆された点は、進化生態学的に重要な発見につながるものと思われた。捕食者の刺激を受けると被食者の異巣間でワーカーの往来も認められるようになったが、この条件的スーパーコロニー化現象の詳細の解明に関しては、次年度以降も力を入れたいと考えている(日本応用動物昆虫学会第50回大会講演で発表、論文投稿準備中)。
4)ハチクマから発散されていると考えられるスズメバチの忌避物質の解析に関しては、予備的な生物検定を行うにとどまったが、コガタスズメバチの行動に変化をもたらす可能性が示唆され、次年度にさらに詳しい分析的研究を展開する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] スーパーコロニー化してオオスズメバチの捕食圧に対抗するキイロスズメバチ2006

    • 著者名/発表者名
      小野 正人
    • 雑誌名

      日本応用動物昆虫学会第50回大会講演要旨(筑波大学)

      ページ: 156

  • [雑誌論文] マルハナバチと植物の情報化学物質を媒体とした相互作用2006

    • 著者名/発表者名
      久保 良平
    • 雑誌名

      日本応用動物昆虫学会第50回大会講演要旨(筑波大学)

      ページ: 155

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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