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2005 年度 実績報告書

細胞外栄養貯蔵物質の合成と分解の制御機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380057
研究機関秋田県総合食品研究所

研究代表者

伊藤 義文  秋田県総合食品研究所, 総合食品研究所, 所長 (70135127)

研究分担者 小笠原 博信  秋田県総合食品研究所, 総合食品研究所・生物機能部門, 主任研究員 (50390901)
木村 啓太郎  (独)食品総合研究所, 応用微生物部, 主任研究員 (20353980)
キーワード納豆菌 / 粘質物 / ポリグルタミン酸 / 遺伝子発現制御 / 栄養応答 / 挿入配列 / 融合遺伝子
研究概要

糸引き成分のポリグルタミン酸(PGA)の合成酵素遺伝子は細胞の増加に応答する特殊な遺伝子制御系(comQXPAオペロン)で制御されており、細胞密度が高い定常期に作られる。栄養が乏し定常期の後期には、PGAのグルタミン酸は分解酵素で切り出され、栄養として利用される。本研究は、納豆菌の菌体外栄養貯蔵物質と言えるPGAの合成量と栄養との関係と新規合成制御遺伝子の探索・特性の解明を行うことを目的としている。本年度は、合成オペロンのプロモーターとlacZ遺伝子との融合遺伝子を作成し、種々の栄養環境下におけるβ-ガラクトシダーゼ(lacZ遺伝子産物)活性を測り、各種栄養素の該融合遺伝子の発現に及ぼす影響を解析した。合成増強効果があるグルコースとアンモニアは高濃度(>10mM)で該酵素の発現を2倍促進した。一方、PGAの合成基質であるL-グルタミン酸は、1%でPGA合成量を3倍増加させるが、融合遺伝子の発現は促進しなかった。従って、L-グルタミン酸の効果は合成原料供給であり、炭素・窒素源供給を反映する代謝物が合成オペロンの発現に影響することが示唆された。納豆菌のゲノムに存在する挿入配列IS4Bsulを利用して新規制御遺伝子を探索した。既知の変異株はプロテアーゼ生産性も失っているので、プロテアーゼ生産性でPGA非生産性の株をスクリーニングし、2株の目的とする変異株を取得した。何れの変異株でもyvzD(swrA)遺伝子に挿入があった。スペクチノマイシン耐性遺伝子で該遺伝子を破壊するとPGA生産性が失われ、該遺伝子がPGA生産に必須であることが確認された。yvzD破壊株では上記lacZ融合遺伝子が発現しなかったことから、本遺伝子の産物はPGA合成オペロンの転写制御に関与していると推察される。本遺伝子産物の機能は次年度に精査する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Paenidase, a novel D-aspartyl endopeptidase from Paenibacillus sp. B38 : purification and substrate specificity2006

    • 著者名/発表者名
      Takanashi S, Ogasawara H, Hiwatashi, Hori K, Hata K, Tachibana T, Itoh Y, Sugiyama T.
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry 139・1

      ページ: 197-202

  • [雑誌論文] 納豆菌も納豆粘質物(ポリグルタミン酸)を食べる2006

    • 著者名/発表者名
      伊藤義文, 木村啓太郎
    • 雑誌名

      化学と生物 44(印刷中)

  • [雑誌論文] Pseudomonas aeruginosa PAO1 gene for 3-guanidonopropionate and 4-guanidinobutyrate may be derived from a common ancestor2005

    • 著者名/発表者名
      Nakada Y, Itoh Y
    • 雑誌名

      Microbiology 151・12

      ページ: 4055-4062

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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