平成19年度は以下の成果が得られ、一部は既に論文発表した。 1.潜在機能を発現させるrsmG変異株を枯草菌で取得し、RsmG蛋白質が16S rRNAのG535をメチル化する酵素である事を明らかにした。 2.薬剤耐性選抜法を更に拡大させ、放線菌S.coelicolorに8つの異なったリボゾーム変異を導入する事により、抗生物質アクチノロージンの生産力が野生株の180倍に増強される事を明らかにした。 3.自然界ではバクテリアにおいても2つのタイプのRNAポリメラーゼを有するものが存在する事を示し、そのうち変異型とされるRNAポリメラーゼはその遺伝子を他菌に導入すると潜在機能が著しく活性化される事を見い出した。 4.希土類元素の一種スカンジウムは、培地に微量添加すると放線菌の抗生物質生産能を著しく活性化すること、ならびにこの活性化は二次代謝の誘発の増強にある事を明らかにした。
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