研究課題
基盤研究(B)
ALG-2はpenta-EF-hand(PEF)ファミリーに属すカルシウム結合蛋白質である。ALG-2ならびにその相互作用因子Alixと相互作用する因子の探索を行い、メンブレントラフィックに関連する因子が多数見出された。リン脂質混合酵素Phospholipid Scramblase 3(PLSCR3)にはALG-2結合部位が2箇所存在し、異なるモチーフをもつことが明らかとなった。ALG-2は121-GlyPhe-122が選択的スプライシングにより欠損したアイソフォームが存在し、Alixとは結合しないことが知られていたが、PLSCR3やER-Golgiの輸送に関与するCOPIIサブユニットのSec31Aと相互作用することを明らかにした。また、ALG-2がどのようなメカニズムでAlixを認識するのか、X線結晶解析によるALG-2ならびにAlixの結合部位オリゴペプチドとの複合体の構造を明らかにした。さらに、Alixと相同なタンパク質として、HD-PTPならびにBroxの解析を行った。その結果、ALG-2がHD-PTPとも相互作用すること、さらに、HD-PTPにもCHMP4、endophilin、TSG101が相互作用するがRabGAPLPやCIN85は結合しないなど、Alixとの相違を明らかにした。一方、BroxはC末端にイソプレノイドであるfarnesyl基が付加されること、CHMP4と相互作用すること、そして、細胞外にもエキソソームとして放出されることを示した。一連の研究過程で、新たなCHMPファミリーメンバーとしてCHMP7を新規に発見した。ALG-2相互作用因子ならびに関連因子の構造と機能を明らかにすることにより、細胞内における物質流通機構の制御システム解明につながると思われる。
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http://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~mcr/