研究課題/領域番号 |
17380066
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
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研究分担者 |
中津 亨 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (50293949)
中野 博明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10378789)
小段 篤史 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学研究) (80360543)
光岡 薫 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (60301230)
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キーワード | ABCトランスポーター / P糖タンパク質 / X線結晶解析 / 単粒子構造解析 / 膜タンパク質 |
研究概要 |
トランスポーター膜タンパク質の立体構造を明らかにすることを目的として、1)多剤排出トランスポーターMDRI、2)胆汁酸特異的排出トランスポーターBSEP、3)極長鎖脂肪酸輸送トランスポーターPMP70、4)ATP依存性カリウムチャンネルSUR1-Kir6.2複合体、それぞれを取り上げ、X線結晶解析と電子顕微鏡による単粒子解析を目指した研究を行なった。 1)多剤排出トランスポーターMDR1 野生型MDR1がいまだ結晶化しないため、ATP結合部位近傍に部位特異的アミノ酸置換を導入することで、安定性に優れた変異型MDR1を取得した。そして、バキュロウイルス-昆虫細胞(Sf-9)発現系を用いて大量発現させるた。その結果、立体構造を認識していると思われるモノクローナル抗体との親和性が上昇しており、結晶化に向いていることが示唆された。現在、この変異型MDR1の結晶化を継続中である。 2)胆汁酸特異的排出トランスポーターBSEP バキュロウイルス-昆虫細胞(Sf+)発現系を用いて調製したタンパク質を用いて、BSEPを初めて均一にまで精製することができた。 3)極長鎖脂肪酸輸送トランスポーターPMP70 PMP輸送キャリアーであるPex19pとPMP70の融合タンパク質を大腸菌を用いて調製したが、結晶化には至らなかった。そこで、PMP70をメタノール資化性酵母Pichia pastorisを用いて大量発現させるための予備的実験を行った。 4)ATP依存性カリウムチャンネルSUR1-Kir6.2複合体 昨年度、SUR1とKir6.2の共発現に成功したHEK293の誘導体細胞を用いて同複合体を10l規模で大量発現させるための実験系を確立した。得られた細胞を用いてカリウムイオンチャネル活性を測定したところ、SUR1の閉鎖薬により遮断されるチャネル活性を観測することができた。
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