研究課題/領域番号 |
17380081
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
藤野 貴広 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 准教授 (40292312)
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研究分担者 |
増田 晴造 愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 講師 (50363263)
能勢 眞人 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70030913)
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キーワード | リポタンパク受容体 / コレステロール / 中枢神経 / アポリポプロテインE / リソソーム病 |
研究概要 |
中枢神経系におけるコレステロールはアストロサイトからアポE・コレステロール複合体として脳髄液中に分泌され、アポEをリガンドとして認識する受容体を介して神経細胞に取り込まれると考えられている。アポEをリガンドとするリポタンパク受容体はLDLR、VLDLR、ApoER2及びLRP1などが知られている。この中でもVLDLR及びApoER2は中枢神経系の発達に重要な役割を果たしており、これら受容体を共に欠損するダブルノックアウトマウスではリーラーマウスと呼ばれる神経変異マウスに酷似した表現型を示す。すなわち、脳神経系においてVLDLRとApoER2は神経細胞の移動及び配置決定を制御する分子であるリーリンの受容体としても機能していることが明らかとなっている。我々は中枢神経系のリポタンパク代謝におけるこれら受容体の機能を解析するために、組職へのコレステロール及びスフィンゴミエリンの蓄積と神経細障害を呈するNPC1(Niemann-Pick Type C1)マウスとのダブルノックアウト作製した,VLDLRとNPC1の両方を欠損した場合、著しい小脳の形成不全と神経細胞の移動及び層構造形成障害が観察された。一方で、他の受容体(LDLR又はApoER2)とのDKOマウスの解析では、小脳形成に異常は観察されなかった。すなわち、VLDLR・NPC1 DKOマウスにおいて観察された著しい小脳形成不全と神経細胞移動及び層構造形成障害は、このマウスで機能している。(欠損していない)他の受容体、LDLR又はApoER2の機能が減弱されているためであると考えられた。とくに、神経細胞の移動及び層構造形成障害が観察されたことはApoER2への障害が強く示唆された。
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