• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 研究成果報告書概要

有機性廃棄物の混合コンポスト化と荒廃地緑化への有効再利用に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380094
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 林学・森林工学
研究機関岡山大学

研究代表者

嶋 一徹  岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (80274017)

研究分担者 笹川 英夫  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40115572)
研究期間 (年度) 2005 – 2007
キーワード下水汚泥 / 焼成処理 / 含有重金属 / 緑化 / 有機資材
研究概要

産業廃棄物の総排出量は近年4億トン前後を推移しており、その縮減にむけてリサイクル率のさらなる向上が多くの分野で望まれている。このような状況下、本研究は有機性廃棄物の個々の特性を生かして複合資材化することで荒廃地緑化に有効再利用するための実用的な方策を確立することを目的とした。本研究は、有機性廃棄物の大半を占める下水汚泥を主原料として、緑農地利用に際して解決すべき最大の課題である含有重金属の汚染防止に関して、高温加熱による難溶化と木質系廃棄物の炭化処理副資材の混入による重金属元素の吸着固定によって安全な有機性廃棄物の緑化資材を作りその実用性を示した。
第1段階として下水汚泥ケーキあるいは下水汚泥コンポストに含有される主要重金属元素の存在形態を明らかにするため形態分別を行った。その結果、亜鉛は70~80%が有機結合態,10~15%が炭酸塩態として存在しており、銅も吸着態と炭酸塩態の比率が比較的高く、土壌中で溶出しやすい性質であることを明らかにした。さらに、これら脱水汚泥ケーキを800~900℃の高温加熱処理をすることによって、有機結合態および炭酸塩態の比率が大幅に減少することと、それらが難溶性である事実を明らかにした。また、このような高温条件下ではカドミウム、鉛などの低沸点物質を排ガスとして分離できることも判明した。
第2段階として、瀬戸内沿岸地域に長年放置されている劣悪土壌条件の荒廃林について早期緑化のためリン資材として用いるための野外実証試験を実施した。その結果、本研究で開発した資材は有機性廃棄物中のリン資源を有効化(可給化)し、荒廃地緑化に活用できることを示した。しかし,実際の利用に際しては,花崗岩風化土壌の結果と火山灰性黒ボク土のそれとでは、含有重金属の挙動に大きな相違があることも示された。このうち花崗岩風化土では施用直後に供試植物の生育が劣っており,汚泥資材だけでは窒素欠乏に陥ることが示唆された。そこでこの問題を改良するために微量の鶏糞など有機質資材を添加することで肥料木の初期成長を高め緑化成績の向上を図ることで実用性を確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 下水汚泥焼却灰の緑農地利用に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      嶋一徹
    • 雑誌名

      日本緑化工学会誌 33(1)

      ページ: 128-133

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Utilization of incineration ashes of sewage sludge as the fertilizer2007

    • 著者名/発表者名
      SHIMA, Kazuto, KATAYAMA, Hiroko
    • 雑誌名

      Journal of Japanese Society of Re-vegetation Technology 33-1

      ページ: 128-133

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] 下水汚泥焼却灰の緑農地利用について2007

    • 著者名/発表者名
      嶋一徹
    • 学会等名
      第38回日本緑化工学会大会研究発表会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2007-09-30
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] Utilization of incineration ashes of sewage sludge as the fertilizer2007

    • 著者名/発表者名
      SHIMA, Kazuto
    • 学会等名
      The 38^<th>(2007)annual meeting of Japanese Society of Re-vegetation Technology
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      2007-09-30
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 環境緑化の辞典 第7章1節 森林のもつ環境保全機能2007

    • 著者名/発表者名
      嶋一徹
    • 総ページ数
      496
    • 出版者
      朝倉出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2011-06-18  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi