研究分担者 |
熊谷 朝臣 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (50304770)
榎木 勉 九州大学, 大学院・農学研究院, 准教授 (10305188)
智和 正明 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30380554)
小松 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (70432953)
高木 正博 宮崎大学, 農学部, 准教授 (70315357)
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研究概要 |
気候の異なる4つの大学演習林(九州大学:北海道,宮崎,福岡;宮崎大学:田野)で気象,水・炭素・窒素循環,樹木等の動態をモニタリングし,この観測結果に基づいて森林動態モデルと水・物質循環モデルを構築し,これを統合化して気候変動の影響評価・予測が可能なプロセスベースドモデルを構築することを目的とした.森林動態においては,長期生態研究に資する7つの森林動態モニタリングプロットを(北海道,2;宮崎,3;福岡,1;田野,1)を設置し,統一した調査方法(環境省モニタリング1000)でモニタリングを開始し,森林動態の基礎データを整備した.さらに,森林動態モニタリングに資するリモートセンシング技術を開発した.水循環においては,各種林分(スギ,ヒノキ,常緑広葉樹,竹)の蒸発散に関して樹液流計測に基づくプロセス研究を実施し,蒸発散プロセスを解明すると共に,各林分における樹液流計測に関する指針を提示した.また,国内外の長期水収支研究およびフラックス研究の成果を精査し,日本における樹木の生長・林分密度・樹種の変化が流域の水収支に及ぼす影響を明らかにするとともに,簡便な蒸発散プロセスモデルを構築した.物質循環においては,日本で観測例がほとんどない蛇紋岩帯の試験流域で総合的な水・物質循環観測を実施し,従来日本で常識とされていた水・物質循環プロセスは,基岩が異なる場合適用できないことを明示すると共に,出水時と低水時の窒素・リンの流出形態の違いを明らかにし,実用的で精度の高い窒素・リン流出モデルを構築した.
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