研究概要 |
有機薄膜太陽電池は、将来的には、乾式型のバルク・ヘテロ型太陽電池が本命であると言われている。そこで、本年度は、バルク・ヘテロ型太陽電池用P型半導体、およびN型半導体の開発を目標に、前年度までの光電変換機能セルロース誘導体の結果を基に、P型半導体として、C-6位にフタロシアニン基、C-2,3位にミリスチル基(C14)を有したセルロース誘導体、N型半導体として、C-6位にフラーレン基、C-2,3位にミリストロイル基(C14)を有したセルロース誘導体の合成を検討した。前者は、天然セルロースから、2,3-di-O-myristyl-6-O-(phtalocyanine)-celluloseを経由する5段階の反応で調製できた。ただし、一部の未反応の水酸基は、最終段階の環化反応の際、トリメチルシリル化されることが判明した。後者は、天然セルロースから、6-azido-6-deoxy-celluloseを経由する4段階の反応で調製し得た。
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