研究概要 |
今年度の研究から得られた成果は以下の通りである。 1.牡蠣の自動脱殻装置の温度・圧力下におけるノロウイルス(NV)代替ネコカリシウイルス(FCV)の生存性を,感染価測定法にて観察したところ,800気圧では1桁程度,2000気圧ではほぼ検出限界以下まで減少し,加圧が有用であることが明らかとなった。 2.自動脱殻装置の運転条件である40℃・800気圧・処理時間5分間において,実用機を用いてFCVの生存性を観察したところ,感染価は2桁程度減少し,実用機においても有用であることが示された。 3.リアルタイムPCRにより加圧処理後のFCVゲノムの定量検出を行ったところ,80〜4000気圧の各条件においてほぼ一定の値を示し,不活化したウイルス粒子も検出していることが明らかとなった。 4.ノロウイルスについても同様に加圧処理し,NVゲノムの定量検出を行ったが,FCV同様加圧処理後も一定の値を示した。しかしながら,FCVは,800気圧では1桁程度,2000気圧ではほぼ検出限界以下まで感染価が減少していることから,加圧処理はNVに対しても有効であると考えられた。
|