研究課題/領域番号 |
17380114
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小川 和夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20092174)
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研究分担者 |
浦和 茂彦 東京大学, さけます資源管理センター調査研究課, 室長 (60425460)
良永 知義 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (20345185)
横山 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70261956)
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キーワード | 水産学 / 魚病学 / 寄生虫 / 病害性 / 宿主転換 |
研究概要 |
魚類寄生虫が宿主転換して病気を引き起こすメカニズムを解明するため、本来の宿主および他の宿主に対する感染実験を行い、魚種間における感受性や寄生動態の違いを調べた。 1)ウナギのPseudodactylogyrus bini:ニホンウナギとヨーロッパウナギに対して攻撃試験を行い、寄生動態を調べた。その結果、本来の宿主であるニホンウナギよりも、新たな宿主であるヨーロッパウナギに寄生したほうが寄生率・寄生数ともに高く、成長速度も速かった。 2)ヒラメのNeoheterobothrium hirame:実験用に北米産サザンフラウンダーを入手したが、循環水槽での飼育が困難であった。そこで、トラフグに寄生するHeterobothrium okamotoiを実験モデルとして使用することにし、本種のふ化幼虫の鰓弁への親和性をトラフグおよび各種の魚種で比較した。 3)トラフグのEnteromyxum leei:トラフグ、ヒラメ、クマノミにE.leei栄養体を経口投与して感染実験を行った結果、いずれの魚種にも同様に感染し、発病が見られた。累積死亡率には若干の違いがあったが、それは魚体サイズの違いによると思われ、感受性はほぼ同等と評価された。 4)サケ科魚類のKabatana takedai:サクラマスとニジマスを河川水に曝露する方法で感染実験を行い、寄生状況を比較した。その結果、ニジマスはサクラマスよりも心臓において感染を受けやすく、2魚種間の寄生率の差はK.takedaiが心臓に定着する量の違いにより生ずることが示唆された。
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