昨年度は肝臓におけるトランスクリプトームとプロテオーム解析の両方がほぼ終了した。また、脳下垂体を用いたトランスクリプトーム解析もほぼ終了したため、昨年度は脳下垂体のプロテオーム解析を中心に実験を展開した。 方法:(1)脳下垂体の培養:GH遺伝子組み換えアマゴを雌性発生させ、GH完全ホモ個体とヘテロ個体を作成した。これらの個体から脳下垂体をホールで取り出し、そのまま培養液中で2日間プレインキュベーションし、更に2日間培養した。コントロールから取り出した脳下垂体はさらに2群に分け、1つにはGHを50μg/3mlの割合で添加した後2日間培養した。(2)上記4群に関して培養終了後、脳下垂体を取り出し、液体窒素中で破砕してトータルタンパクを取り出す。(3)タンパク質は微量なため、定量的MS解析であるiTRAKにかけて脳下垂体での発現蛋白の同定と定量を行った。 その結果:網羅的変化パターンはGH遺伝組み換えアマゴの脳下垂体とコントロールアマゴの脳下垂体と同様な変化パターンを示した。特に脳下垂体体内のホルモン系の変化パターンは脳下垂体をホールで培養した場合でもマイクロアレーと同様な変化パターンを示した。
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