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2005 年度 実績報告書

海綿に含まれる新規中枢神経毒の構造・機能・そして起源に関する包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380125
研究機関北里大学

研究代表者

酒井 隆一  北里大学, 水産学部, 助教授 (20265721)

研究分担者 神保 充  北里大学, 水産学部, 講師 (10291650)
小池 一彦  北里大学, 水産学部, 助教授 (30265722)
キーワードポリアミン / ペプチド / 中枢神経 / 興奮性アミノ酸 / 海綿 / 海洋天然物 / 生理活性物質 / バイオミネラリゼーション
研究概要

西表産海綿Axinyssa aculeataより神経毒としてポリアミンを含むペプチドを3種単離し、それぞれアーキュレインA〜C(ACU A〜C)とした。ACU A〜Cはそれぞれ分子量約6570、5700、2626のペプチドであり、直鎖状にプロパンアミンが10-14個重合したポリアミンにより修飾された化合物であることが明らかになった。ACUは培養細胞に対してグルタミン酸受容体を介さないCa^<2+>の流入を引き起こした。一方、ACUと同時に単離したプロパンアミンのポリマーはNMDA受容体のリガンド結合を有意に増強したが、その構造は珪藻においてシリカ骨格の形成に関与している珪藻の長鎖ポリアミンと類似していた。そこで、本化合物が海綿の珪酸質骨片に存在するかを調べたところ、それが確認されたことから、珪藻同様海綿においてもポリアミンがケイ酸のバイオミネラリゼーションに関与している可能性が初めて示された。また、パラオ産海綿Cribrocharina sp.にもマウスに対する痙攣誘発活性が確認されたので、活性物質の分離を行ったところ、分子量195のメチルグアニン誘導体が得られた。これまでにプリン類で痙攣誘発作用を示すことが報告された例は無い。西表産の海綿Spongosorites sp.の抽出物がマウスに対する遅発性毒性および強い細胞毒性を示したので活性成分の単離を行なったところ、分子量約10万のタンパク質を得た。この化合物をマウスに2pモル脳室内投与すると約16時間後に激しい痙攣を誘発し、致死させた。
これらの結果は、海洋生物に含まれる神経毒、またはそれに類する成分が、新たな戦略的化合物となることを示唆したのみならず、加えてバイオミネラリゼーションのように、海洋生物の基本的な生存に関わる機能を有することが示された。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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