研究課題/領域番号 |
17380126
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研究機関 | 独立行政法人水産総合研究センター |
研究代表者 |
張 成年 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・浅海生態系研究室, 研究室長 (70360766)
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研究分担者 |
竹山 春子 東京農工大学, 生命機能科学部門, 教授 (60262234)
大原 一郎 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所・遺伝子解析センター, 上席研究官 (40371843)
上野 康弘 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所・沿岸資源室, 研究室長 (50371810)
吉村 拓 独立行政法人水産総合研究センター, 西海区水産研究所・沿岸資源室, 研究室長 (90371997)
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キーワード | 多種同時判別 / 水産動物 / ITS領域 / DNAチップ |
研究概要 |
無脊椎動物から脊椎動物まで収集標本数は18年度末で600種程度に達した。標本は、多い順に硬骨魚類(248種)、軟体動物(183種)、甲殻類(64種)、刺胞動物(34種)その他である。17年度と同様に全種についてITS1領域のPCR増幅を行い、ほとんどの種の相同領域が単一のプライマーセットで増幅されることを確認した。このうち153種について完全長配列を得た。内訳は硬骨魚類48種、軟体動物35種、刺胞動物34種、甲殻類15種、原索動物9種、有櫛動物7種、棘皮動物5種である。ハイブリダイゼーション効率に影響すると予想される塩基配列長とGC含量について検討したところ、一般的に無脊椎動物では短く(300-600bp)GC含量が低い(45-55%)傾向が見られ、脊椎動物(魚類)では長く(500-1200bp)GC含量が高い(55-70%)傾向が見られた。昨年度末に50種類(軟骨魚類4種、硬骨魚類19種、甲殻類9種、原索動物1種、刺胞動物1種、軟体動物12種、棘皮動物4種)のITS1領域を固定した試験的チップを作成したが、今年度には同じ種類のITS1を固定したチップをさらに10枚作成した。硬骨魚類、軟骨魚類、甲殻類、軟体動物の4群それぞれから配列長の長い種と短い種を2種ずつ選び、蛍光標識プライマーによって8種類のプローブを作成しハイブリダイゼーションを行った。その結果、これら8種のプローブは正確にそれぞれのスポット部分とハイブリダイゼーションし蛍光が確認された。しかしながら、蛍光が非常に弱い種が1種類及び非特異的ハイブリダイゼーションが1スポット見られた。ハイブリダイゼーション強度、塩基配列長、GC含量との間には特に関連は見られなかった。スポットした標本ITS1配列の全長解析を行うとともに、非特異的ハイブリダイゼーションを阻害するための条件探索が必要であることが示された。
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