研究課題/領域番号 |
17380133
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
鈴木 幹俊 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (90014969)
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研究分担者 |
淵野 雄二郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60015104)
酒井 憲司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40192083)
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 助教 (20262230)
大川 泰一郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (80213643)
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キーワード | 農業経済学 / 農業工学 / 土壤学 / 農法 / 水田輪作 |
研究概要 |
1、我が国水田農業技術の原型は、11世紀中国江南デルタ地帯で形成された稲移植連作栽培法であるので、その形成過程と特質を中国古代農書の分析を通して明らかにした。この研究過程を通して東アジア稲作栽培法における、水管理の意義、「田作り」の意義が判明した。また水田プラウ耕・レーザーレベラー体系は、今後の東アジア水田農業の、「田作り」、水管理の条件整備に欠かせないものであることがわかった。 2、東アジアの農業構造の特質を形成している要因の一つに、東アジアの農業技術の性格があるが、それを解明するために東アジア農法の原型をなすとされる、6世紀華北畑作農法の形成過程を明らかにするために、中国古代農書等を資料にして分析をおこなった。この過程で管理作業の持つ重要性が東アジア農業技術の特質をなすことが把握できた。また管理作業に求められる多労性、緻密性が、経営規模、生産主体の性格、生産者相互の関係(地域)に与えている影響が大きいことがわかった。管理作業技術の発展が東アジア農業発展の鍵を握っていることがわかった。 3、10地区の経営体・地区について実態調査を行った。明らかになったことは、水田プラウ耕・レーザーレベラー体系が、現行のロータリー耕、また代掻き-移植の体系とは異なる、新しい段階の「田作り」を実現していることにより、水田畑作展開の新しい条件が生み出されていることがわかった。稲作、水田畑作(転作)、畑地畑作、の3者を包摂するものとして機械利用体系と土地利用体系が成立してきている。
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