研究課題
基盤研究(B)
インターネットでの農産物購入に関して、予備調査を経て約1400人のモニターでネット調査を実施した。ネット購入者は、非購入者と比べて、食味を強く重視し価格はあまり重視しない等の志向が認められた。その志向の強さは、購入経路別に、インターネット、ネット以外の通販購入、スーパー等の順であった。農産物のネット販売を行っている新潟県内の営農組合(法人経営)の圃場で営農上の技術的データを計測した。気象データから既存の水稲発育予測モデルを用いて発育ステージを予測し、時期別に稲の生育量および葉色をモニターした。さらに、土壌中の全窒素含量とKおよびMgの含量を調査した他、LP肥料を使って窒素効果を変えた圃場試験で葉色、収量、タンパクの含有量を測定した。更に、水稲生育過程をネットワークカメラで自動的に常時モニタリングするシステムを構築し、農作業時間や水稲の分げつ等を連続的に観察した。この組合の米について、FT-IR(Travel IR)を使って玄米と精米の両方で粒状及び粉状で中赤外分光分析を行った。粉状で2922cm-1、2853cm-1、1744cm-1の周波数で特徴的なピークが観察され、これらのピークはコメの脂質を抽出物のピークと一致した。脂質は米の品質にも関与しているため、コメの品質管理における簡易判定のためにFT-IRが応用できることが期待される。上記の消費者調査結果と実測した技術データを踏まえて、組合のコメについて消費者に対して購入意欲等の実験的なネット調査を行った。懸賞サイトを使って回答者を募り、産地・食味・栽培法の3項目について情報量の多寡による各2水準を組み合わせに応じて提示情報を変えて回答を得た。3項目のうち栽培法の情報量の多寡のみに消費者の商品評価に有意な影響がみられた。詳しい栽培情報には食味や環境保全とのかかわりが述べられており、何かしら消費者にとって意味のある情報となった場合にはじめて購買行動に影響を与えられる可能性が示唆された。
すべて 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
新潟大学農学部研究報告 60
ページ: 155-161
Bull. Facul.Agric.Niigata Univ 60(in Japanese)
日本農業経済学会論文集 2007年度
ページ: 264-269
Rural economics,2007transaction in Japanese
Soil Science & Plant Nutrition 52
ページ: 711-716
Soil Science &Plant Nutrition 52
http://www.agr.niigata-u.ac.jp/study_report/report/60-02/155_161.pdf