研究課題/領域番号 |
17380139
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮崎 毅 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00209892)
|
研究分担者 |
西村 拓 東京農工大学, 農学研究科, 准教授 (40237730)
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00181917)
関 勝寿 東洋大学, 経営学部, 准教授 (40313069)
藤川 智紀 東京農業大学, 地域環境科学部, 助教 (60361573)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
キーワード | ホメオスタシス / 水循環恒常性機能 / 炭素循環恒常性機能 / 熱的恒常性機能 / 塩類集積地 / プライミング効果 / 熱環境 / 環境保全戦略 |
研究概要 |
土壌のホメオスタシス機能、すなわち、恒常性機能あるいは平衡維持機能は、土壌が示す物理的・化学的・生物的緩衝作用によって発現する。したがって、土壌のホメオスタシス機能を回復することは、重要な環境保全戦略となりうる。本研究は、土壌が本来有しているホメオスタシス機能を最大限に引き出すことによる環境保全戦略を創出することを目的とした。そのために、土壌のホメオスタシス機能として、水循環恒常性機能、炭素循環恒常性機能、熱的恒常性機能に着目し、既存知識を整理し、現状分析・問題点の抽出・ホメオスタシス機能回復戦略の提示を行った。これらを検討した結果、以下が明らかにされた。 1.水循環恒常性機能では、数mmの降雨や数mm相当の山岳融雪水による地下水涵養が、中国東北部に広がる塩類集積地において地下水位を著しく上昇させること、その地下水位上昇を、わずかな耐塩生植物による蒸散促進が防御している可能性が高いことを示唆した。 2.炭素循環恒常性機能では、土壌水分、土壌深さ、地温、降雨などがCO_2ガス放出に及ぼす影響を実証し、新規性のある知見を得、学会発表、論文公表を行った。同時に、土壌に投与する有機物の種類によって、地球温暖化ガスCO_2の大気への放出量や放出経緯が異なることに着目し、プライミング効果の検討が進んだ。 3.熱的恒常性機能では、インドネシア熱帯雨林の森林火災に着目し、土壌中の熱移動現象や、揮発した水蒸気、炭素、窒素などの土中移動現象を測定・解析し、この知見を元に、熱環境の変化に対する土壌のホメオスタシス機能を評価した。 「土壌が有するホメオスタシス機能の最適化による環境保全戦略」研究は、平成20年度を最終年度として計画したが、平成19年度で終了し、平成20年度初年度の基盤研究(A)「土壌圏を媒体とする物質循環のミッシングソース・ミッシングシンクに関する研究」に発展的に引き継がれることになった。
|