研究概要 |
研究の目的 降雨や浸透水に起因する地盤災害,あるいは地盤の地表汚染に適切に対処し防止するためには,地盤の水理特性(透水性と保水性)を迅速にかつ精度良く評価する必要がある。このためには,地盤の広がりと深さ方向をトータルにとらえたサイト・キャラクタリゼーションを実現したシステムの開発が不可欠である。本研究では,これまでに開発を進めてきた原位置透水試験法に,新しく,地盤の礫含有率の評価ができるボアホールレーダならびにボアホール透水計を組み合わせることにより,地盤水理のサイト・キャラクタリゼーション・システムを開発する。現地実証試験を含めた3年間の研究期間を設定した。 本年度(平成19年4月〜平成20年3月)の研究実績概要 これまでに開発を進めてきたシステムのフィールドにおける稼動性能を調べた。具体的には,すでに論文等で公表している原位置透水試験法と,今回新たに導入したボアホールレーダによる礫率測定試験を組み合わせることにより,初年度に確認した地盤水理モデルをベースにしたサイト・キャラクタリゼーション・システムの実用化を探った。確認の調査試験のために,砂丘列圃場の斜面地形を利用した小規模な土砂地盤プロットを造成・設定し,雨量,地盤水分動態等の局地水文観測値と照らし合わせて,システムの妥当性を検証した。一連の研究成果は,河海大学(中国南京)で開催された「3rd Asian Confrence on Unsaturated Soils」で論文発表を行った。また,研究成果を公表し,分野(不飽和土地盤工学)に関わる情報を収集するため,9月6日〜7日に新潟大学自然科学研究科棟において「不飽和土研究会」(30名の参加)を開催し,研究発表論文集を上梓した。
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