研究課題/領域番号 |
17380142
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 愼太郎 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20026602)
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研究分担者 |
星野 敏 京都大学, 農学研究科, 教授 (60192738)
水野 啓 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (10260613)
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80346098)
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キーワード | ソーシャル・キャピタル / 定住 / 芸術祭 / ワークショップ |
研究概要 |
本年度は以下の研究テーマに関する実績を得た。 1.兵庫県篠山市を対象として実施した調査結果を基に、ソーシャル・キャピタルの状況を含む集落の社会特性と地域への定住についての分析を行った。調査結果より抽出された社会特性の因子である「信頼・まとまり」、「住民活動への活性」、「開放性」は、主観的判断による定住状況と正の関連があることが明らかになった。同時に、集落の諸条件を一定以下にして行った分析の結果、これらの3因子と客観的定住指標である30代人口率との間にも正の関連が見られた。また、社会特性と定住には双方向の関連性が見出されることを明らかにした。 2.兵庫県神河町における「地域サロン」に関する調査結果を基に、地域づくりにおけるソーシャル・キャピタルの影響について検討を加えた。その結果、集落全体でソーシャル・キャピタルの水準が低い場合にも、高いソーシャル・キャピタルを持つ中心層が存在することで集落のパフォーマンスが高くなる可能性があることを明らかにした。このことから、中心層の形成および継続的な取り組みの存在が地域のソーシャル・キャピタルを向上させる上で重要であることを示した。 3.新潟県十日町市を対象に平成18年度に実施したアンケート調査結果を基に、個人属性、芸術祭との個人的関り、芸術祭による地域の変化、芸術祭に参加した芸術家と住民との関りなどの視点から、芸術祭に関する評価を行った。その結果、対象地域のように高齢化の進んだ農村地域でも、高齢者が新たな人的ネットワークを構築し、現代アート作品に対する趣旨の理解を促進するなど、芸術を用いた地域づくりの新たな可能性が明らかになった。 本年度は研究期間の最終年度であることから、京都府宮津市中波見地区においてワークショップを開催し、これまでの研究結果の報告ならびに意見交換を行った。
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