研究課題
基盤研究(B)
本研究課題は、複数の生体信号を用いて人間の食品に対する感性を定量的に評価する技術を開発するとともに、そこで得られた知見を援用した食品デザイン技術の開発を目的としている。平成19年度の主な成果は次の通り。(1)高次脳機能解析のための新しい多次元脳波解析法の開発を行った。(原著論文発表および国内学会発表済)(2)嗜好の個性を脳波を用いて分析するための基礎実験を行った。嗜好調査に関する課題を与えた被験者に100種類以上の食品の映像を提示し、その際の脳波を記録した。これは、直感的に意識に現れる嗜好を被験者本人の意図的な改竄の介入を全く許さずに脳波中に記録する実験方法である。(脳波データ取得まで完了、未解析)(3)食品摂取時の機能的磁気共鳴画像(fMRI)の計測および解析を行った。嗜好の個性の違いを脳波を用いて分析するための補助的研究として行ったものであり、数十種類の食味刺激の中から被験者が任意に選択したものを摂取しながらのfMRI計測を行い、さらにデータの分析を行った。しかし、分析結果からは個人の嗜好に由来する特徴的な知見は得られなかった。実験方法の再考が必要と思われる。(国内学会発表済)(4)食品摂取後の消化管活動の様子を非侵襲的かつ定量的に分析するための新しい信号処理法として、多チャンネル腸音計測・解析法の研究開発を行った。さらに、開発した手法を用いて、食品の消化特性の違いによる腸音発生状態の違い、および腸音の長時間計測・解析についての検討を行った。本基礎研究の結果、腸音分析が消化管活動の定量的分析法として有効であろうことが予想できたが、摂取する食品の物理・化学・栄養学的性質だけでなく、人間の神経活動の影響までも考慮に入れる必要があるということが認められた。(原著論文発表および国際学会・国内学会発表済)なお、本研究成果は平成20年度基盤研究(B)採択課題に引き継がれ、さらなる発展を目指す。
すべて 2008 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (16件)
IEEJ Trans. on Electrical and Electronic Eng 3(1)
ページ: 1-10
Japan Journal of Food Engineering 9
ページ: 51-57
The journal of Clinical Biochemistry and Nutrition, Supple 43(in print)
Proc. of 2008 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits and Signal Processing
ページ: 96-99
IEEJ Trans. on Electrical and Electronic Eng 1(4)
ページ: 408-416
Proc. of IEEJ Workshop on Medical and Biological Engineering MBE-06-120
ページ: 25-29
IEEJ Trans. on Electric and Information System 125-C(9)
ページ: 1387-1392