研究課題
基盤研究(B)
平成17年度から平成19年度の3年間にわたって光質及び気温がレタス葉内硝酸イオン濃度に与える影響を解析すると同時に葉内硝酸イオン濃度低減のための最適環境を探索してきた。植物の硝酸イオンの摂取法は根からの吸収のみである。また、吸収された硝酸イオンの代謝は硝酸還元酵素によって行われる。この酵素は光の照射によって活性化することがわかっているが光質による活性化についてはあまり研究されていない。硝酸イオンの植物体内における蓄積は吸収と代謝のバランスによって決定される。本研究ではLED光源によって設定可能な光質(R/B比:赤色光と青色光の光量子束密度比)が葉内硝酸イオン濃度(代謝)に与える影響を解析した。さらに光質が根からの硝酸イオン吸収に与える影響及び気温が硝酸イオン代謝に与える影響を解析した。解析の結果得られた知見は次の通りである。・R/B比が10あるいは5、気温20℃の条件は硝酸イオン濃度が低下し、乾物率が高くなり草姿がよくなる最適条件である。・R/B比によって養分吸収特性に違いは表れなかった。一方、乾物率及び葉内硝酸イオン濃度はR/B比によって変化した。つまり、同じように硝酸イオンを吸収してもR/B比によって葉内硝酸イオン濃度に違いが表れた。従って、乾物率や葉内硝酸イオン濃度の変化は養分吸収特性の変化によるものではなく、硝酸イオンの代謝系や光合成系がR/B比によって変化したことによると考えられる。・近赤外線スペクトルから硝酸イオン濃度を推定する検量線を作成した。164株のサンプルを使用して得られた検量線の寄与率は0.7809、評価データと実測値との相関係数は0.7607となった。この検量線を使用して栽培中レタスの硝酸イオン濃度経日変化を測定したが、推定精度に問題を残した。スペクトル測定法にさらなる改良を加える必要がある。
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農業機械学会関西支部報 102
ページ: 46
J. Kansai-branch of JSAM 102, 46
農業機械学会関西支部報 100
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ページ: 120-121
J. Kansai-branch of JSAM 100