研究課題/領域番号 |
17380160
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斉藤 昇 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (40211924)
|
研究分担者 |
島田 清司 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40065579)
塚田 光 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (20343212)
|
キーワード | ニワトリ / アルギニンバソトシン / 浸透圧 / ブロイラー / TonEBP / 遺伝子発現 |
研究概要 |
烏類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)の遺伝子発現の機構を明らかにするために、急速な塩水投与を産卵用のレイヤーと肉用鶏のブロイラーに行いAVTの遺伝子発現に違いがあるかどうか調べた。塩水投与により、ブロイラーもレイヤーも浸透圧が同様に上昇するが、視床下部におけるAVT遺伝子発現はレイヤーにおいて増加したがブロイラーでは増加しなかった。C-fosも同様に、レイヤーでは増加するがブロイラーでは増加しなかった。塩水投与後、24時間ではブロイラーもレイヤーも浸透圧が正常値になっており、ブロイラーにおいても正常値に戻った。この結果は、ブロイラーにおいては、抗利尿ホルモンのAVTの遺伝子発現が起きないが、浸透圧調節が調節されていることが明らかになった.今後さらに、ブロイラーではなぜAVTの遺伝子発現が生じないのかその機構を撰明する必要があると考えられた。 鳥類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)の遺伝子発現の機構を明らかにするために、急速な塩水投与を行い転写因子等の遺伝子発現等を解析した。その結果、AVT mRNAレベルは塩水投与後3時間に有意な増加を示した。他に、c-fos mRNAレベルなども3時間後に増加した。それに対し、転写因子TonEBP mRNAレベルは、塩水投与後1時間に有意な増加を示した。この結果をもとに、TonEBPのアンチセンスを作成し、塩水投与前に前処理として脳室内に投与したところ、視床下部AVTの遺伝子発現は増加しなかった。しかし、c-fosの遺伝子発現には影響しなかった。この結果から、TonEBPがAVTの遺伝子発現調節に重要な転写調節因子であることが明らかになった。
|