研究課題
基盤研究(B)
サブトラクションした遺伝子断片を用いて、BIP細胞分化誘導4日目のcDNAライブラリーから遺伝子を単離したところ、ウシ血清型glutathione peroxidase(pGPx)の配列と一致した。BIP細胞の脂肪細胞分化誘導におけるpGPx遺伝子発現は分化誘導2日目から増加して4日後には最大となり、蛋白質は分化誘導6日目で発現の増加が確認された。また、pGPxは活性部位にセレノシステインを持ち、培養上清中におけるpGPx蛋白質の発現はセレン添加により増加し、セレン濃度依存的に蛋白質への翻訳が制御されていることが確認された。pGPxおよびC/EBPδの発現は共に脂肪細胞分化過程で増加し、デキサメサゾンにより誘導され、C/EBPδがpGPxの発現に関与している可能性が示唆された。pGPx蛋白質発現は、内臓脂肪が特異的に高く、ヒトおよびウシの脂肪組織で発現しており、内臓脂肪での蛋白質の特異的な見られる事から、脂肪蓄積および内臓脂肪型肥満のマーカーとなる可能性があることを発見した。世界に先駆けてデュロック種ブタから筋肉内脂肪細胞株(PIP)の樹立とその脂肪細胞分化誘導系の確立に成功した。PIPの脂肪細胞分化誘導にはオクタン酸・オレイン酸の共刺激が有効であった。長鎖脂肪酸取り込みタンパク質であるFAT/CD36とFATP1において、FAT/CD36は分化初期に脂肪酸刺激によって急激な発現上昇が起こり、分化後期にはその発現は減少傾向にあったが、FATP1はオクタン酸の刺激により分化誘導4日目まで発現が上昇し、オレイン酸にはこの発現上昇効果を高める働きが見られた。これらの長鎖脂肪酸取り込み関連遺伝子の発現上昇には、オクタン酸の刺激がより効果的であることが判明した。
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http://www.agri.tohoku.ac.jp/keitai/index-j.html