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2006 年度 実績報告書

オスダニ精巣由来分子を用いた抗ダニワクチンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17380177
研究機関北海道大学

研究代表者

小沼 操  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)

研究分担者 大橋 和彦  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90250498)
田島 朋子  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (90173145)
今内 覚  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40396304)
キーワードキララマダニ / オスダニ精巣因子 / 抗ダニワクチン / コイタマダニ / ボラキシン
研究概要

Amblyomma hebraeum(キララマダニ)のオスダニ精巣から2つの因子(voraxin)が遺伝子同定され、組換えvoraxinを用いたワクチン試験では強力にメスダニの吸血を阻害することが報告された。これら2つの因子(voraxinαおよびβ)は交尾時にオスダニからメスダニに伝達される因子と考えられ、オスからメスに受け渡されると、メスダニの吸血を促進する機能が明らかとなっている。
そこで本研究ではアフリカ大陸の東南部に分布しているRhipicephalus appendiculatus(コイタマダニ)からオスダニ由来因子を同定し、抗ダニワクチンへと応用することを試みた。コイタマダニは主に牛に寄生して生活環を形成し、非常に致死率の高い東海岸熱を引き起こす病原体(Theirelia parva.parva)などを媒介することから、ダニのコントロールが重要であると考えられている。voraxinの塩基配列を基にPCRプライマーを設計し、ウサギに吸血させたオスダニの精巣cDNAを鋳型としてPCR法を行ったところ、voraxinαおよびvoraxinβと相同性の高い遺伝子断片が得られた。これらの遺伝子断片からRACE法で遺伝子全長のクローニングを試みた。その結果、全長759bpの類似遺伝子が得られ、voraxinαとの予測アミノ酸配列相同性は80%と高率に類似していた。また、voraxinβと相同性の高い遺伝子断片は現在5'末端を解析中であるが、353bpの類似配列がクローニングされた。mRNA発現解析ではvoraxinα類似遺伝子はオスのコイタマダニ精巣だけでなく、唾液腺や神経内分泌細胞でも発現が認められた。また、オスだけでなくメスダニや幼ダニ、若ダニでも吸血中のmRNA発現が認められたことから、オスダニのみならず、ダニの吸血に必要とされる因子ではないかと推測された。現在、得られた類似遺伝子の組換えタンパク質を大腸菌発現系にて作製し、組換え体をメスダニに投与して吸血に対する影響を検討している。また、実際にマダニの吸血を阻害し、メスダニの産卵量を減少させることが可能か、動物を用いたワクチン試験を計画している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] A novel gene encoding a thrombin inhibitory protein in a cDNA library from Haemaphysalis longicornis salivary gland.2006

    • 著者名/発表者名
      Nakajima C, Onuma M, et al.
    • 雑誌名

      J. Vet. Med. Sci. 68

      ページ: 447-452

  • [雑誌論文] Two serine protease inhibitor (serpin) that induce a bovine protective immune response against Rhipicephalus appendiculatus ticks.2006

    • 著者名/発表者名
      Imamura S, Onuma M, et al.
    • 雑誌名

      Vaccine 24

      ページ: 2230-2237

  • [雑誌論文] Acquisition and transmission of Theileria parva by vector tick, Rhipicephaius appendiculatus.2006

    • 著者名/発表者名
      Konnai S, Imamura S, et al.
    • 雑誌名

      Acta Trop. 99

      ページ: 24-41

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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