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2005 年度 実績報告書

βアミロイド沈着と脳老化の比較生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17380185
研究機関東京大学

研究代表者

中山 裕之  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)

研究分担者 眞鍋 昇  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80243070)
上塚 浩司  東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
内田 和幸  宮崎大学, 農学部, 助手 (10223554)
キーワード犬 / 猫 / 脳 / 老化 / マイクロアレイ / ネプリライシン
研究概要

本年度はまず、ヒトの神経系関連遺伝子マイクロアレイフィルター(東洋紡製)を用いて犬の脳における遺伝子発現を網羅的に調べた。このフィルターに用いられている遺伝子群はヒトに由来するが、それらの塩基配列は動物種によらず比較的よく保存されている部分が用いられており、イヌの組織に対しても十分使用できた。老化やアルツハイマー病との関連が報告されている遺伝子のうち老齢犬で発現量が増加した遺伝子としてGFAP、CNPase、p35などが、発現減少または変化しなかったものにはAPP、Tauがあった。全遺伝子を変動係数、すなわちばらつきに注目して調べたところ、脳老化の過程でばらつきが増加(SOD-1)、あるいは減少する(β-catenin)遺伝子が認められた。
次に各種年齢の犬と猫の脳におけるβアミロイド分解酵素であるネプリライシンの活性をしらべた。犬と猫の両方でネプリライシン活性は白質より皮質で高かった。皮質の活性は加齢とともに減少したが、白質の活性は変化しなかった。犬と猫とでネプリライシン活性を比較したところ、皮質の活性は、若齢の動物では猫は犬に比べて著しく高かったが、老齢になるとその差は小さくなった。白質では若齢、老齢とも猫より犬が高かったが、その差は小さかった。ネプリライシンは神経細胞で産生され、プレシナプスに存在すると考えられている。したがって今回、皮質の活性が白質より高かったことは妥当な結果と思われた。また、加齢による大脳皮質のネプリライシン活性の低下によりβアミロイドの沈着が説明できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 動物にアルツハイマー病はあるのか 老齢犬の脳病変から老化の進化を考える2005

    • 著者名/発表者名
      中山裕之
    • 雑誌名

      獣医畜産新報(JVM) 58・9

      ページ: 757-764

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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