研究課題
基盤研究(B)
食品残さを原料とする残さ飼料を40%配合した飼料のミネラル利用性は、残さ飼料の組成および加熱温度の違いによる影響を受けた。またテンペ菌(RAGI,Rhizopus oligosporus)による発酵処理はトウフ粕の粗脂肪、繊維、フィチン含量を減少させたが、一般成分およびミネラルの利用性改善は認められなかった。トウモロコシ・大豆粕主体飼料の乳酸発酵リキッド飼料調製時にビール酵母を添加し、フィチンの低減を試みたところ、発酵時間の経過と共に、ビール酵母液添加量に応じて、フィチンの分解が促進された。乳酸発酵時の水の約半量をビール酵母液に置き換え、24時間の発酸によってフィチンの33%が分解されるとともに、フィターゼ活性が733PU/kg乾物から1161PU/kg乾物に上昇した。さらに、トウモロコシ・大豆粕主体飼料を24時間ビール酵母添加とともに乳酸発酵処理したリキッド飼料を肥育琢に給与し、ミネラル利用性を検討したところ、リン吸収量ならびにマグネシウム吸収量が有意に増加し、カルシウム吸収量も増加傾向を示した。これらの結果から、トウモロコシ・大豆粕主体飼料にビール酵母を添加して乳酸発酵すると、腐敗を防ぎつつ飼料中フィチンを分解でき、そのためミネラル利用性が改善することが示唆された。食品残さ飼料化の環境影響低減効果を調べるため、食品残さをリキッド飼料化する場合(以下、「リキッド」とする)および乾燥飼料化する場合と食品残さを焼却により廃棄する場合(以下、「焼却」とする)をライフサイクルアセスメント(LCA)により評価・比較した。機能単位は含有代謝エネルギー量に応じて調整した飼料乾物1kgとした。その結果、それぞれのケースの温室効果ガス排出量は268,1073,1066 gCO_2等量であり、「リキッド」が非常に小さかった。また、飼料化は「焼却」に比べて水消費量に小さかった。
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