研究課題/領域番号 |
17380196
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境農学
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研究機関 | 独立行政法人農業技術研究機構 |
研究代表者 |
村上 敏文 農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・カバークロップ研究チーム, 上席研究員 (80391465)
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研究分担者 |
小柳 敦史 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究所・めん用小麦研究チーム, チーム長 (40355326)
中元 朋実 東京大学, 大学院・農学生命研究科, 准教授 (50180419)
島野 智之 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 准教授 (70355337)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 根染色 / コムギ / 根の伸長角度 / 耕起 / マイクロコズム / DGGE / 耐湿性 / 繊毛虫 |
研究概要 |
根は土壌中にあって、生育環境や土壌生物の影響を受けながら、養水分の吸収を行っている。しかし、研究手法が不十分なため、その実態はほとんどわかっていない。そこで、手法の開発を中心に研究を行った。 染色液及び樹脂を用いた根の分布解明手法の開発では、根の染色システムを耐高圧仕様に改良し、野外で隣接するトマトの根の相互の分布を明らかにした。また、単子葉植物の茎を樹脂で固めて根を染色できるようにした。残された課題としては、樹脂を使った根の立体標本の作製法の開発がある。 土壌環境及び品種特性と根分布の関係の解明手法の開発では、過湿条件でのコムギの根の遺伝特性を明らかにするため、実際の水田条件に近い湿害再現系(代掻き法)を考案し、ミズタカモジ及びライコムギがコムギよりも耐湿性が強いことを明らかにした。 土壌生物と根のマクロ的相互作用の解明手法の開発では、土壌生物の水平分布と垂直分布を同時に調査する方法を開発し、耕起土壌では不耕起土壌よりも根が土壌生物の機能強化に果たす役割が大きいことを示した。また、土壌生物と根の養分吸収を明らかにするため、リターバッグ法を用いたミクロコズム実験系を開発した。 土壌原生動物と根・微生物のミクロ的相互作用の解明手法の開発では、根圏環境の原生生物繊毛虫の群集動態を解析するためPCR-DGGE法を確立した。この方法により、顕微鏡的手法に較べてよく多くの種、かつ広範囲な分類群を検出できるようになった。 土壌微生物と根のミクロ的相互作用の解明手法の開発では、バクテリアの群集構造を解析するため、捕食者である繊毛虫の動態解析と合わせて環境DNAに基づく分子生物学的研究で比較した。その結果、原生生物の存在がバクテリアの群集構造に影響を与えていることが示唆された。 以上、開発した方法は、根-土壌生物相互作用の解明に大きく貢献すると思われる。
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