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2006 年度 実績報告書

マメ科植物のファンクショナルゲノミックスを進展させる新規ウイルスベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17380197
研究機関北海道大学

研究代表者

増田 税  北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (60281854)

研究分担者 阿部 純  北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192998)
金澤 章  北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (30281794)
キーワードウイルスベクター / ダイズ / ファンクショナルゲノミクス / ジーンサイレンシング
研究概要

昨年度、我々は、ダイズに感染するキュウリモザイクウイルス(CMV-Sj)をダイズ用のウイルスベクターとして開発することに成功している。さらにこのベクターにGFP遺伝子の部分断片を挿入して、タバコにサイレンシング(VIGS)を誘導できることを確認し、プロトタイプのVIGSベクターを完成させている。今年度は、当初計画にのっとり、ダイズのアントシアニン生合成経路のキー酵素であるカルコンシンターゼ(CHS)遺伝子をターゲットとして実験を行った。まず、ダイズの種皮で発現量の高いCHS7遺伝子のORF中の70塩基程度をアンチセンス方向で複製するようにCMVベクターにクローニングした。この組換えウイルスをタバコに接種し、感染性を確認した。次に、CHSの発現によって茶色の豆をつけるダイズ(茶豆)にこのウイルスを感染させたところ、このウイルスはダイズでも全身感染し、初期に軽いモザイクを誘導した。しかし、感染ダイズは健全植物と同等に生育し、種子の収穫にも大差なかった。得られた種子の色を観察したところ、約1/3の種子で大幅な退色が観察され、中には黄豆に近いものも存在した。残りの2/3についても茶と黄のキメラ模様となり、ウイルス感染によるCHSのVIGSがよく誘導された結果であると考えられる。この種皮からRNAを抽出し、ノーザン解析によってCHS mRNAの減少やCHS siRNAの存在を確認し、VIGSの誘導を証明した。すなわち、今年度はCMVベクターによってダイズの種子の表現型を変化させることに成功し、ダイズの未知の遺伝子の機能解析にこのベクターが有効であることを示唆する結果であった。次年度はこのベクターの有効性をさらに検証するために、アントシアニン生合成経路の他の遺伝子(例えば、F3'Hなど)を標的にして、同様の実験を予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Development of Cucumber mosaic virus as a vector modifiable for different host species to produce therapeutic proteins.2007

    • 著者名/発表者名
      Matsuo, K., et al.
    • 雑誌名

      Planta 225

      ページ: 277-286

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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