研究課題/領域番号 |
17380200
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松田 幹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20144131)
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研究分担者 |
灘野 大太 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00228074)
佐藤 ちひろ 名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (10343211)
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キーワード | 生殖 / 蛋白質 / 糖鎖 / 発生・分化 / 応用動物 |
研究概要 |
今年度は、精子先体反応を誘導する精子の活性化を引き起こす2量体型ZP1の生成を中心にZPB1/ZPC複合体の形成機構を解析した。ニワトリ卵母細胞の卵膜から分離したZPCおよびZPB1、さらに産卵鶏血清に含まれるZPB1を用いて、in vitroでの複合体の形成について研究した。 (1)ゲル濾過クロマトグラフィーによるZPB1/ZPC複合体の重合度の解析 ニワトリ卵膜を尿素で可溶化しZPCを分離精製し、産卵鶏血清中のZPB1と異なる比率で混合し一定時間反応させた後、ゲル濾過クロマトグラフィーで分画した。各画分に含まれるZPB1およびZPCをそれぞれに特異的な抗体を用いたELISAにより検出した結果、ZPCの混合比に依存してより高分子量画分にZPB1およびZPCが溶出されることが明らかとなった。 (2)ZPCとZPB1の混合による試験管内での繊維状会合体の形成 ZPCとZPB1をマイクロウェル中で、より高濃度(1-100μg/m1)で混合し、ウェルの底を顕微鏡で観察した結果、混合比に依存して繊維状の凝集物が形成されることが明らかとなった。この凝集沈殿物を回収し、電気泳動・免疫ブロット法で解析した結果、ZPB1の沈殿量にはピークが存在し、繊維状凝集物の形成にはZPCとZPB1の両者が必要で、最適な比率が存在することが示唆された。このようなin vitroでの自発的繊維状凝集物の形成は、生体内での卵膜マトリクスの構築を再現している可能性がある。
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