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2006 年度 実績報告書

イノラートによる高度オレフィン化反応

研究課題

研究課題/領域番号 17390006
研究機関九州大学

研究代表者

新藤 充  九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (40226345)

キーワードイノラート / オレフィン化反応 / ナザロフ反応 / ゲルマニウム / エステル / 軌道相互作用 / 回転選択性 / エノールエーテル
研究概要

エステルのオレフィン化反応とその有機合成への実践的応用:エステルカルボニルのオレフィン化反応はきわめて困難な反応の一つであり、汎用性が高く官能基化が容易なプロセスの開拓が強く求められている。イノラートはエステルと室温付近で反応させることによりエノールエーテルを高収率で与えることを見いだした。イノラートはリンイリドよりもはるかに求核性が高いことから一般的オレフィン化剤として有望である。エステルのアルコール部(ROH)の酸性度を精査したところ脂肪族アルコールは収率良く生成物を与えたが、酸性度の高いフェノールでは低収率であった。α-アミノエステルではきわめて高収率で生成物を与えた。本反応の生成物はエノールエーテル(ビニリデンカーボネート)であり、有機合成で有用な反応前駆体となるので合成素子への変換反応を試みた。カルボン酸をビニルケトンに変換してβ-アルコキシジビニルケトンとしてNazarov反応に付したところ、β-アルコキシ基が転位したα-アルコキシシクロベンテノンが高収率で得られた。本反応はスカンジウムトリフラートなどのルイス酸で触媒されることも明らかにした。
アシルゲルマニウムのオレフィン化反応:ゲルマニウムはケイ素やスズと同属の元素であるが、有機ゲルマニウムの化学は未開拓である。ゲルマニウムはケイ素同様、低エネルギーレベルのLUMOの軌道を有しているため、効果的な軌道相互作用が期待される。そこで種々のアシルゲルマニウムを合成し、イノラートによるオレフィン化反応を試みたところ高Z選択的にビニルゲルマンを高収率で得ることに成功した。初めてのアシルゲルマンの高選択的オレフィン化反応である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Synthetic uses of Ynolates2007

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Shindo
    • 雑誌名

      Tetrahedron 63

      ページ: 10-36

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Generation of Ynolate and Z-Selective Olefination of Acylsilanes : (Z)-2-Methyl-3-Trimethylsilyl-2-butenoic acid2007

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Shindo et al.
    • 雑誌名

      Organic Syntheses 84

      ページ: 11-21

  • [雑誌論文] Total Synthesis of Marine Macrolides2006

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Shindo
    • 雑誌名

      Topics in Heterocyclic Chemistry (Marine Natural Products) 5

      ページ: 179-254

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Total Synthesis of (+)-Lasonolide A2006

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshimura et al.
    • 雑誌名

      Organic Letters 8

      ページ: 475-478

  • [雑誌論文] Syntheses of heliannuols G and H; structure revision of the natural product2006

    • 著者名/発表者名
      S.Morimoto et al.
    • 雑誌名

      Tetrahedron Letters 47

      ページ: 7353-7356

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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