研究概要 |
ヘリカル2次構造の制御とその機能化について、4項目:1,アミノ酸の設計・合成2.合成経路の最適化3.ペプチド合成4.ペプチド2次構造の解析を中心に研究を行った。また、ペプチドの機能化についても実験計画をたてた。以下、研究実績を項目毎に記載する。 1.環状α,α-ジ置換アミノ酸の設計・合成:昨年度に引き続き新規なキラル環状ジ置換アミノ酸の種類を増やし、7員環を有するアミノ酸、α位とγ位に2つの不斉中心を有するアミノ酸を合成した。また、アジド基を有する環状ジ置換アミノ酸の変換と合成収率を向上することに成功した。 2.合成、反応条件の最適化:マロン酸ジエステルのビスアルキル化反応条件の最適化により、各種の環状アミノ酸の合成収率を改良できることが判明した。また、7員環を有するアミノ酸は酵素トランスエステル化により効率的に光学分割できることが分かった。 3.液相並びに固相法でのペプチドの合成:α位とγ位に2つの不斉中心を有する環状ジ置換アミノ酸から液相法によりホモペプチドを合成した。また、固相法により5員環ジ置換アミノ酸を通常のアミノ酸ペプチドへ導入したヘテロペプチドの合成にも成功した。 4.ペプチド2次構造の解析:キラル5員環ジ置換アミノ酸を導入したヘテロペプチドのX線結晶解析に成功した。また、α位とy位に2つの不斉中心を有する環状ジ置換アミノ酸ホモペプチドのX線結晶解析にも成功しヘリカル2次構造を形成することを明らかとし、更に溶液中での2次構造解析を進めている。 5.ペプチドの機能化:ヘリカル2次構造によるカルコンの不斉エポキシ化反応について実験準備を進めた。
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