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2005 年度 実績報告書

スフインゴミエリンとコレステロールの急性危険因子としての作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17390011
研究機関京都大学

研究代表者

半田 哲郎  京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025719)

研究分担者 中野 実  京都大学, 薬学研究科, 助手 (70314226)
キーワードエマルション / リポタンパクモデル / コレステロール / セラミド / アポリポタンパクE / アポリポタンパクB / カイロミクロンレムナント / 変性LDL
研究概要

以下のように、脂質危険因子の急性細胞傷害について調査・研究した。
1.タンパクフリーのリポタンパクモデルとして、表面単分子膜にレシチン(PC)の他、スフィンゴミエリン(SM),コレステロール(Chol)あるいはセラミド(CER)を含有するエマルションを調整した。その粒子径はアポリポタンパクや細胞との相互作用に影響するが、本研究補助金により購入した粒子径アナライザーを用いて調整した。細胞としてはヒト肝癌由来細胞HepG2、マウス単球マクロファージ様細胞J774を用い、アポリポタンパクの添加効果を調査した。
2.高脂肪食後に血中に大量分泌されるカイロミクロンレムナントは急性心臓疾患の危険因子である。表面にCholを含有したカイロミクロンレムナントモデル粒子は、表面水和構造が変化してapoEと強く相互作用する。この粒子はHSPG-LRP経由で細胞に過剰に取り込まれ細胞を死に至らしめることが明らかになった(J.Lipid.Res., J.Biol.Chem.)。
3.エマルション表面膜のSMあるいはCERによるドメイン形成を、蛍光リン脂質を用いた共焦点顕微鏡観察に基づき調査した。CERの含有により表面膜でドメイン形成がおこり、apoEの親和性が亢進した。この結果から、SM含有LDLが動脈表面に分布するSMaseにより分解・変性され、動脈硬化の危険因子となることが推測された(FEBS Letter)。
4.変性LDL表面ではapoBが一部あるいは全部が脂質より遊離し、これが細胞障害の原因の一つになっていると考えられる。本研究で、脂質粒子にインタクトに結合しているapoBはほとんど細胞毒性を示さないが遊離状態では強い細胞障害性を有することを明らかにした。また、ApoA-Iなど両親媒性a-helixもほとんど細胞障害を示さなかった(投稿準備中)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Effects of cholesterol in chylomicron remnant models of lipid emulsions on apoE-mediated uptake and cytotoxity of macrophages2005

    • 著者名/発表者名
      A.Sakurai, S.Morita, W.Wakita, Y.Deharu, M.Nakano, T.Handa
    • 雑誌名

      Journal of Lipid Research 46・10

      ページ: 2214-2220

  • [雑誌論文] Two-srep mechanism of binding of apolipoprotein E to heparin2005

    • 著者名/発表者名
      M.Futamura, P.Dhanasekaran, T.Handa, M.C.Phillips, S.Lund-Katz, H.Saito
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 280・7

      ページ: 5414-5422

  • [雑誌論文] Formation of ceramide-enriched domains in lipid particles enhances the binding of apolipoprotein E2005

    • 著者名/発表者名
      S.Motita, M.Nakano, A.Sakurai, Y.Deharu, A.Vetut-Doi, T.Handa
    • 雑誌名

      FEBS Letter 579・7

      ページ: 1759-1764

  • [雑誌論文] Detection of bilayer packing stress and its release in lamellar-cubic phase transition by time-resolved fluorescence anisotropy2005

    • 著者名/発表者名
      M.Nakano, T.Kamo, A.Sugita, T.Handa
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry B 109・10

      ページ: 4754-4760

  • [雑誌論文] 脂質エマルションの表面構造と血漿アポリポタンパクの結合2005

    • 著者名/発表者名
      半田 哲郎
    • 雑誌名

      表面 43・5

      ページ: 233-241

  • [雑誌論文] セラミドと動脈硬化の発生2005

    • 著者名/発表者名
      森田 真也, 半田 哲郎
    • 雑誌名

      化学 60・10

      ページ: 72-73

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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