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2005 年度 実績報告書

FGF18の骨・軟骨、肺形成における役割とその分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17390019
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 信行  京都大学, 薬学研究科, 教授 (10110610)

研究分担者 三宅 歩  京都大学, 薬学研究科, 講師 (40346044)
小西 守周  京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
キーワード骨・軟骨形成 / FGF / 細胞増殖 / 肺胞形成 / 細胞分化
研究概要

我々は、FGF18遺伝子欠損マウスの表現形質の解析から、FGF18が肺、骨・軟骨形成因子として重要な役割を果たしていることを明らかにしてきた。四肢の骨を始めとする全身の主要な骨は、内軟骨性骨化過程により形成される。その過程において、FGF18は、増殖軟骨細胞の増殖と、増殖軟骨細胞から前肥大化軟骨細胞への分化の両者を抑制していた。一方、近年、肥大化軟骨細胞から最終分化肥大化軟骨細胞への分化も、内軟骨性骨化過程に重要であり、またその分化過程をFGFシグナリングが促進している可能性が報告された。従って平成17年度では、FGF18の最終分化過程に対する役割を検討した。FGF18遺伝子欠損マウス胎生15.0日胚、15.5日胚の脛骨を対象に、最終分化肥大化軟骨細胞のマーカーであるosteopontinの発現をin situ hybridizationにより検討したところ、最終分化肥大化軟骨細胞層領域の減少が確認された。従って、FGF18は肥大化軟骨細胞からの最終分化過程に重要な役割を果たすことが示された。さらに、FGF18の骨細胞分化における役割を検討した。胎生18.5日齢FGF18遺伝子欠損マウスの脛骨を対象に、骨芽細胞マーカーであるosteopontinの発現をin situ hybridizationにより検討したところ、発現の減少が確認された。従って、FGF18は骨芽細胞の成熟を促進し、骨化を正に制御していることが示された。以上の結果より、FGF18は、個体の骨形成過程において、増殖軟骨細胞の増殖と前肥大化軟骨細胞への分化を抑制するだけではなく、肥大化軟骨細胞から最終分化肥大化軟骨細胞への分化と、骨芽細胞の成熟を促進していることが明らかとなった。本研究の成果は、骨・軟骨形成機構や軟骨疾患成因の解明の一助となることが期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Role of Fgf10 in cell proliferation in white adipose tissue2006

    • 著者名/発表者名
      M.Konishi, T.Asaki, N.Koike, H.Miwa, A.Miyake, N.Itoh
    • 雑誌名

      Molecular and Cellular Endocrinology (印刷中)

  • [雑誌論文] Fgf19 regulated by Hh signaling is required for zebrafish forebrain development2005

    • 著者名/発表者名
      A.Miyake, Y.Nakayama, M.Konishi, N.Itoh
    • 雑誌名

      Developmental Biology 288

      ページ: 259-275

  • [雑誌論文] Regulation of mammalian tooth cusp patterning by ectodin2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Kassai, P.Munne, Y.Hotta, E.Penttila, K.Kavanagh, N.Ohbayashi, S.Takada, I.Thesleff, J.Jernvall, N.Itoh
    • 雑誌名

      Science 309

      ページ: 2067-2070

  • [雑誌論文] Complementary antagonistic actions between C-type natriureic peptide and the MAPK pathway through FGFR-3 in ATDC cells.2005

    • 著者名/発表者名
      A.Ozawa, Y.Omatsu, A.Yasoda, M.Miura, Y.Sakuma, Y.Nakaturu, H.Arai, N.Ito, K.Nakao
    • 雑誌名

      Bone 36

      ページ: 1056-1064

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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