本研究により、内軟骨性骨化においてFgf181ま軟骨膜に発現し、増殖軟骨恕胞に発現するFgfr3cを介して増殖軟骨細胞の増殖と肥大化軟骨細胞への分化を抑制することに加え、肥大化軟骨細胞・最終分化肥大化名骨細胞に発現するFgfr1cを介して軟骨細胞の撮終分化肥大化過程を促進すること、また、前駆骨芽細胞に発現するFgfr2cを介して骨芽細胞の成熟を促進することで骨化過程を促進することが新たに明らかとなった。さらに、マウス胚より長管骨を調製し、in vitroの器官培養系でFGF18を作用させ、FGF18の分化促進こ関与する細胞内シグナル伝達系をタンパク質のリン酸化や各種阻害を用いて調べた。その結果、Fgf18は主として、MAP経路を介してその作用を発現していることが明らかになった。 一方、Fgf18欠損マウスの肺の形態学的観察から、肺葉の形成、気管支の分枝はあまり異常がないことが明らかになった。さらに、気管支の上皮細胞の分化マーカーの発現を調べ、その発現にも異常がないことも明らがになった。また、胎生後期のFgf18欠損マウスの肺を調べたところ、その肺胞壁の肥厚化と肺胞空間の狭隘化が観察された。さらに、電子顕微鏡で肺の切片を観察したところ、FGF18欠損マウスの肺胞の毛細血管が肺胞壁こ埋もれ.肺の機能不全が観察された。さらに、肺肺胞上皮細胞の細胞増殖活性を調べ、Fgf18はFgfr2cを介して、肺胞原基形成期における細胞増殖を一過性に促進することが明らかになった。従って、肺胞原基形成期のFgf18による適正な細泡噌殖の抑制こよって、肺泡原基の形成が開始し、Fgf18が肺胞原基の細胞の配置や上皮細胞の分化にも関与していると考えられた。
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