• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

細胞のストレス応答を制御する微生物代謝産物の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17390031
研究機関東京理科大学

研究代表者

早川 洋一  東京理科大学, 薬学部, 教授 (20208606)

研究分担者 川崎 崇  東京理科大学, 薬学部, 助教 (00408733)
新家 一男  産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (20251481)
キーワード分子シャペロン / GRP78 / 小胞体ストレス / レポーターアッセイ / prunustatin A / efrapeptin / Tolypocladium / 固形癌
研究概要

分子シャペロンGRP78は、グルコース飢餓による小胞体ストレスによって発現が強く誘導される。固形癌細胞は低酸素・低栄養環境下で生存するため、GRP78の発現が上昇していることが知られている。したがって、小胞体ストレス下で誘導されるGRP78発現を阻害する化合物は、固形癌選択的な抗腫瘍剤となることが期待される。GRP78発現阻害物質として環状テトラエステル系の新規化合物prunustatin Aを見出しているが、この絶対立体配置を決定することに成功した。
GRP78プロモーター下流にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したプラスミドで形質転換したヒト線維肉腫細胞HT1080を用い、小胞体ストレス誘導物質2-デオキシグルコースの存在下でルシフェリン発光を測定することによりGRP78転写阻害物質を探索した。その結果、Tolypocladium属の海洋性真菌から新規活性物質を単離した。本化合物の分子式は高分解能FABマススペクトルよりC_<81>H_<139>N_<18>O_<16>^+と決定し、COSY、HMBC等のNMR解析およびMSフラグメント解析によりその構造を明らかにした。活性物質はペプチド系抗生物質efrapeptinの新規誘導体であることが判明し、efrapeptin Jと命名した。Efrapeptin Jは、GRP78レポーターアッセイにおいて、2-デオキシグルコースにより誘導されるルシフェラーゼ産生をIC_<50>値18nMで抑制し、ウエスタンブロットにより検出されるGRP78タンパクの発現を抑制した。また、小胞体ストレス下で、HT1080細胞に対して選択的細胞死を誘導した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Relative and absolute configuration of versipelostatin, a down-regulator of molecular chaperone GRP78 expression.2007

    • 著者名/発表者名
      Hae-Ryong Park
    • 雑誌名

      Organic Letters 9

      ページ: 1457-1460

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Absolute structure of prunustatin A, a novel GRP78 molecular chaperone down-regulator.2007

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Umeda
    • 雑誌名

      Organic Letters 9

      ページ: 4239-4242

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Burkholone, a new cytotoxic antibiotic against IGF-I dependent cells from Burkholderia sp.2007

    • 著者名/発表者名
      Toshiya Mori
    • 雑誌名

      The Journal of Antibiotics 60

      ページ: 713-716

    • 査読あり
  • [学会発表] GRP78転写抑制物質Efrapeptin Jの研究2008

    • 著者名/発表者名
      服部優希
    • 学会等名
      日本薬学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-03-26

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi