研究課題
1)Cancer Cell Informatics(CCS)のシステム構築収集したヒトがん細胞株7l種を2つのサブパネル(JFCR39とJFCR45)にわけデータ収集を進めている。JFCR39は9臓器由来がん細胞株39種、JFCR45は3臓器由来がん細胞株45種よりなる(両者で13株は共通)。これらの抗がん剤感受性・阻害剤感受性・トランスクリプトーム・プロテオームなどを調べた。一方、その情報を管理・情報処理するデータベース(DRAMA)を構築した。DRmmに登録された個々の化合物、遺伝子転写産物、蛋白質などは、フィンガープリント(以下FPと略、調書参照)という形で描写できる。FP間の類似性を比較し、分子標的に共通性のある化合物の組み合わせ、あるいは、ミサイルと標的の関係にある化合物と遺伝子産物の組み合わせを予測することが本研究の狙いである。今年度は、JFCR39に関する阻害剤感受性データが充実し、DRAMAへの登録阻害剤は500種類を超えた。また、JFCR39の各癌細胞株のRNAをGeneChipで解析し、ゲノムワイドなトランスクリプトーム情報を獲得・登録した。これにより本システムの上記予測能力は着実に向上した。2)CCSの応用昨年度CCSを基に新規化合物ZSTK474の分子標的をPI3キナーゼ(PI3K)と決定した。今年度は、PI3K阻害剤(LY294002、ZSTK474)のFPをDRAMA中の400種の蛋白質FPと比較し、その発現レベルがPI3K阻害感受性と相関する蛋白質を抽出し、その一つを単離し、ribosomal P2(RP2)と同定した。RP2はPI3K感受性予測のバイオマーカー候補と考えられる。よって、CCSの創薬シーズ探索における有用性は,DRA搬の充実に伴い証明されつつある。次年度以降DRAMAをさらに充実させ本研究をさらに発展させる計画である。
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