研究課題
がん細胞パネルについて化合物感受性情報とゲノム情報を集積し、化合物とその分子標的の対応関係の予測ならびに抗がん剤分子薬理研究に有用な情報を得るための基盤情報システムCancer Cell Informatics(CCI)の構築と応用を行った。1)CCIの構築:本研究の中心となるJFCR39(9臓器由来のがん39株からなるがん細胞パネル)について新たに53種の阻害剤に対する感受性情報取得、およびウェスタンブロットによりストレス関連タンパク質を中心に約30種類の蛋白質発現情報取得を行った。また、JFCR39それぞれの細胞株について血清に対する遊走活性データを収集した。これらの情報が加わることによって、CCIの基盤となるDRAMA(化合物感受性情報とゲノム情報の統合データベース)は、本研究開始時の平成17年度に比べ格段と充実した。ことに、阻害剤については700化合物以上の感受性データを収載するに至り、化合物の標的予測能が非常に高まった。2)CCIの応用:CCIをユニークな分子メカニズムを持つと予測される抗がん物質の同定に応用した。その結果、新規タモキシフェン誘導体、ソラミン誘導体、1-benzyl-3-(5-hydroxymethyl-2-furyl)indazole(YC-1)などを同定した。また、種々のキナーゼ阻害剤の特異性の違いの評価にCCIが応用できるかを検討した結果、PI3キナーゼ阻害剤とその他のキナーゼ阻害剤(たとえばAkt阻害剤)は、CCIによって識別可能であることがわかった。以上、本研究によって、CCIは化合物評価系として有用性の高いものに発展した。今後は、このシステムの応用に重点をおき、新規化合物の標的予測、抗がん剤シード発見などを通じて、抗がん剤の分子薬理研究に役立てたい。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (34件) 図書 (3件)
Proteome Science (in press)
The Journal of biological chemistry 284
ページ: 3334-44
Biological & pharmaceutical bulletin 32
ページ: 297-300
Eur J Cancer 45
ページ: 857-65
Biochemical and biophysical research communications 379
ページ: 104-9
Journal of Wood Science 54
ページ: 390-401
Biochemical and biophysical research communications 377
ページ: 941-5
Biochem Pharmacol 75
ページ: 1014-26
Cancer science 99
ページ: 398-406
ページ: 1734-40
Bioorganic & medicinal chemistry letters 18
ページ: 6451-3
ページ: 1637-41
ページ: 360-8
Mebio Oncology 5号
ページ: 18-28
MEDCHEM NEWS 18号
ページ: 23-7
腫瘍内科 2号
ページ: 130-5
生体の科学 59号
ページ: 541-7