研究課題/領域番号 |
17390033
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
福原 潔 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 室長 (70189968)
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研究分担者 |
奥田 晴宏 国立医薬品食品衛生研究所, 有機化学部, 部長 (30160807)
梅村 隆史 国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (50185071)
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キーワード | 抗酸化剤 / カテキン / フラボノイド / 活性酸素 / アポトーシス |
研究概要 |
本研究は我々が開発したフラボノイドの立体構造の平面固定化反応を利用して対象とする疾病への治療および予防に有効な分子設計を行う。そしてこの手法を利用して多様な生物活性と薬物動態が制御された新しい予防化学物質を開発することを目的としている。今年度は天然カテキンにアセトンを反応させて合成した平面型カテキン(PC1)と長さの異なるアルキル側鎖(n=2〜9)を導入して脂溶性を増強させた平面型カテキン誘導体PC2〜PC9を合成し、がん細胞(HL60およびU937)に対する増殖阻害効果について検討を行った。その結果、天然カテキンはがん細胞の増殖に殆ど影響を与えないのに対して、PC1は濃度依存的に増殖阻害作用を示した。特にU937に対しては細胞増殖阻害効果を有する代表的な天然抗酸化剤(レスベラトロール、エピガロカテキンガレート)よりも強力な増殖阻害効果を示すことがわかった。また、PC1によって細胞増殖阻害効果がみられるU937はクロマチンの凝縮がみられた。そこでPC1で処理したU937のDNAをアガロースゲル電気泳動法で解析したところ、アポトーシス特有のDNAの断片化がヌクレオソーム単位で進行していることが確認された。次に、アルキル基を導入して脂溶性を増強させたPC2〜PC9についてもがん細胞増殖阻害作用について検討を行った。その結果、アルキル側鎖を長くするに従って細胞増殖阻害作用は増強し、HL60ではPC7で最も強力な阻害効果を示し、U93の阻害効果はPC8が最も強かった。一方、さらにアルキル側鎖を長くすると阻害効果は抑制されることもわかった。以上、カテキンの立体構造を平面に固定した平面型カテキンは強力な抗酸化効果とともにがん細胞に対してアポトーシスを誘導して増殖阻害作用を示すことが明らかとなった。また、その作用はアルキル側鎖を長くして脂溶性が向上すると増強することがわかった。来年度は平面型カテキン誘導体についてプロテオミクスを行い、構造と蛋白発現について検討を行う。
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