研究課題
妊婦の服用により催奇形性が認められたことから、使用禁止になっていたサリドマイドが、近年悪性腫瘍の治療に有効であるとして用いられている。実験動物での影響や代謝経路に関しては、報告がなされているがヒトでの代謝や毒性の知見は希薄であることから、今回特に以前は報告されていなかったCYP3A分子種も踏まえて、サリドマイドの代謝や肝薬物代謝酵素にあたえる影響について検討した。その結果、これまでの報告では影響は弱いとされていたCYP2C19に関して、明らかに阻害が認められた。また近年特に注目されているCYP3A4およびCYP3A5に関しては、サリドマイドの共存下で、活性の上昇が認められた。さらに詳細に検討したところ、サリドマイド前処置を行ったときよりも、同時添加の場合のほうが、著しい活性の増加が認められたことから代謝活性への影響はサリドマイドの代謝物によるのではなく、サリドマイド本体に起因することが強く示唆された。今回、新たに代謝物による影響についても検討したところ、CYP3A5発現系ミクロゾームおよび大腸菌膜発現系において、代謝物と思われるピークが認められ、新規代謝物および代謝経路の存在を明らかにすることになった。サリドマイドを用いた悪性腫瘍の治療の際にはステロイドなどが併用さることから、誘導および拮抗阻害によってCYP3A分子種の活性に大きな影響を与えることが事前に把握できることは、より安全な治療効果に繋がるものと考えている。
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