研究課題/領域番号 |
17390040
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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研究分担者 |
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90313155)
伊藤 晃成 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (30323405)
高田 龍平 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90376468)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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キーワード | 脂質 / 胆汁排泄 / 胆汁酸 / コレステロール / 遺伝病 |
研究概要 |
活習慣病の治療では脂質代謝が一つの標的となるが、生体内の恒常性維持においては、消化管吸収と胆汁排泄が重要な役割を果たす。リン脂質・コレステロール・胆汁酸は胆汁排泄を受け胆汁ミセルを形成するため、吸収・排出機構における三者の関連が想定されているが、未だ不明な点が多い。本研究課題は、小腸および肝臓に発現するリン脂質・コレステロール・胆汁酸トランスポーターの基質特異性・輸送機構を生解析し、胆汁脂質の消化管吸収・胆汁排泄機構を明らかにすることを目的としている。 リン脂質の胆汁排泄に関しては、ヒトMDR3/ABCB4発現アデノウィルスを作製し、in vitro機能評価を行った。哺乳類由来細胞を用いた輸送実験の結果、高濃度の胆汁酸の添加によりMDR3発現に伴うリン脂質の排出亢進が見られた。さらに、PFIC3・ICPに見られるMDR3遺伝子変異に関して検討した結果、蛋白の成熟不全による局在異常が生じる変異体が認められ、病態発症メカニズムの一端が明らかとなった。 コレステロール吸収に関わるトランスポーターであるNPCILIについては、ヒト消化管由来のCaco-2細胞に遺伝子導入した安定発現株を用いて種々の解析を行った。リン脂質・ステロール・胆汁酸からなる胆汁ミセルからの吸収を評価した結果、コレステロールは植物ステロールよりも輸送活性が強く、両ステロールの輸送とも新規高脂血症治療薬エゼチミブの添加で濃度依存的に阻害されることが明らかとなった。 胆汁酸の胆汁排泄については、BSEP/ABCB11遺伝子発現系を用いた検討により、基質の輸送にはアクセプター分子が不要であること、二種の遺伝子変異に関しては細胞膜へのトラフィック異常によりPFIC2が発症すること、ラット・ヒトBSEP問には胆汁酸組成を反映した基質特異性の種差が存在することを示すことができた。
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