• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

消化管における糖鎖認識分子ガレクチンの発現様式と役割

研究課題

研究課題/領域番号 17390048
研究機関北海道大学

研究代表者

岩永 敏彦  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10160128)

研究分担者 森松 正美  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (70241370)
キーワードガレクチン / レクチン / 消化管 / 泌尿器 / in situ hybridization
研究概要

ガレクチン(以下Gal)は、β-galactosideを認識する内在性レクチンで、細胞の内外でさまざまな機能を有している。マウスの消化管と泌尿器におけるガレクチンサブタイプの発現様式を形態学的に解析した。消化管では5つのサブタイプ(Gal2,3,4/6および7)が粘膜上皮に特異的に発現していた。腺胃ではGal2とGal4/6が主要なサブタイプで、腺頚部から胃小窩にかけて分布する粘液細胞が産生していた。小腸では、Gal2,3および4/6が上皮の成熟度に応じて発現しており、陰窩ではGal2、絨毛下半部ではGal4/6が、そして絨毛先端部ではGal3が主に発現していた。Gal2は杯細胞にも発現していたが、大腸の杯細胞は発現しない。大腸では、Gal4/6が主要なサブタイプで、陰窩全体に発現しており、陰窩上部ではさらにGal3も発現していた。口腔から前胃までと肛門ではGal7が主要なサブタイプであった。消化管を通じていずれかのガレクチンサブタイプかが途切れることなく発現しており、またサブタイプの発現様式には一定のパターンがあることがわかった。一方、泌尿器で発現する主要なサブタイプはGal3で、腎臓から尿道まで連続して発現していた。腎臓のGal3は腎皮質の集合管で最も強く、そこでは主細胞がGal3発現細胞であった。腎盤から尿道にかけての移行上皮は、全層でGal3を発現しており、移行上皮の新しいマーカーになる可能性がある。このほかGal1のび漫性の発現が尿管と膀胱の筋層に認められた。泌尿器では、複数のサブタイプが強く発現する消化管と異なり、Gal3のみが主要なガレクチンであることが特徴的であった。泌尿器におけるGal3は主に尿管芽と尿生殖洞由来の上皮に発現していると結論できる。ガレクチンは上皮の恒常性維持や病原微生物との相互作用、粘膜免疫などさまざまな現象に関与する。正常組織におけるガレクチンサブタイプの細胞およびステージ特異的な発現に関する情報は、ガレクチンの機能や病態における役割を理解する上で重要である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Immunohistochemical and in situ hybridization analysis of galectin-3, a β-galactoside binding lectin, in the urinary system of adult mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Nio J et al.
    • 雑誌名

      Histochem.Cell Biol. (印刷中)

  • [雑誌論文] Differential cellular expression of galectin family mRNAs in the epithelial cells of the mouse digestive tract.2005

    • 著者名/発表者名
      Nio J et al.
    • 雑誌名

      J.Histochem.Cytochem. 53(11)

      ページ: 1323-1334

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi