研究課題
基盤研究(B)
心筋で主に発現しているCx43とCx45の遺伝子改変マウスを作製して、初期心拍動と心筋の構造(特に心内膜床)に目して解析した。Cx43欠損マウスは出生直後に死亡するものの、出生時まで協調興奮し、心内膜床を形成した。Cx45欠損マウスは、心拍開始(胎生8.25日)は正常で或る程度協調興奮するが、その後24時間以内に房室伝導障害と心内膜床形成障害により血流の制御不全となって死亡した。Cx45は、心筋と心内膜内皮細胞に発現しているので、心筋特異的および内皮細胞特異的Cx45欠損マウスをそれぞれ作製して解析した。内皮細胞特異的Cx45欠損マウスは正常に発育したが、心筋特異的Cx45欠損マウスは心内膜床を形成するものの、単純Cx45欠損マウスと同様に房室伝導障害をきたして死であった。Cx43・Cx45二重欠損マウスでは、Cx45欠損マウスと同様の表現型を示した。以上の結果から、初期心拍動と心内膜床の形成に関して以下のことがわかった。(1)Cx43はほとんど関与していない、(2)Cx45が心筋層において欠損したときに心筋伝導障害が起こる、(3)Cx45が心筋層と心内膜の双方で欠けたときに心内膜床障害が起こる。心筋特異的Cx45-/-の心内膜床形成異常に個体差が大きい事から、Cx45発現細胞から供給される可溶性因子が心内膜床形成に必須である事が示唆された。即ち、弁の誘発に関与するNFATc1転写因子の活性化が必要であり、主にCx45から成るギャップ合を介したCa^<2+> waveが、Ca^<2+>/calcineurin/NFATc1系の同期的活性化に重要であると考えられた。Cx45欠損マウスは、心拍開始時は或る程度協調興奮することから、バネキシンなど、コネキシン以外の別種のギャップ結合構成蛋白の存在が示唆され、今後検討がさらに必要である。
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