研究課題/領域番号 |
17390055
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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研究分担者 |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助手 (50283362)
若園 佳彦 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 産学連携研究員 (90377755)
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キーワード | エバネッセンス顕微鏡 / 全反射照明顕微鏡 / 開口放出 / インスリン / 膜融合 / 共焦点顕微鏡 / DMD |
研究概要 |
共焦点顕微鏡の光学系にエバネッセント光を発生させる光学系を追加し、共焦点像とエバネッセンス像が同時に記録できるようにするために、今年度は、ディジタルマイクロミラーを持つDMD素子によって、共焦点法を実用的なレベルにまで完成させることを目指した。DMD装置による共焦点顕微鏡の光学系をブレッドボード式の組み立て装置につけ、コンピュータと接続し、パルス発生器を介して高速のパルス駆動により、光源の高速走査を達成した。DMDの個々のミラーは10μsの反応特性を持つので、自作のパルス列によりDMDを駆動し、輝点の走査のためのクロックを高速化した。DMD装置の回折格子的な特性を隠して光ビームを集束させるため、インコヒーレントな光を準備して、背景光のレベルを下げた。実際には、レーザー光のコヒーレンスを下げる工夫を試みた。ファイバーバンドル式のコヒーレンス低下装置を入手し、また、回折光を光学的にミックスするフィルター装置を使用し、光源の特性を調べたところ、コヒーレンスの大きな低下が認められた。しかし、このような光源によって作る輝点のイメージは、標本上に鮮明な形では投影されなかった。共焦点効果を高めるためには、この鮮明さが高いことが条件である。この原因を明らかにして、輝点が投影される必要がある。一方で、より簡易的に光学切断像とエバネッセンス像の高速交互観察が可能な装置も試作した。ガルバノミラーを駆動して入射角の異なるレーザー光照明を作り、エバネッセント光とシート状の斜光によって、細胞の照明領域を高速に変化させた。この装置の下で、インスリンGFPを発現させたMIN-6細胞を観察し、その蛍光性分泌顆粒を、細胞膜上と細胞質内との2カ所で観察した。一個の顆粒の開口放出に先だって、顆粒が細胞膜に向かって高速に移動し、その直後に細胞膜との融合に至るものがあることが確認できた。
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