研究課題/領域番号 |
17390055
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
寺川 進 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (50014246)
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研究分担者 |
櫻井 孝司 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教 (50283362)
若園 佳彦 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 研究員(平成17~18年) (90377755)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | MIN-6細胞 / 分泌顆粒 / インスリン放出 / 臨界角 / 超高開口数レンズ / 顆粒の滑走運動 / 顆粒内pH / 開口放出反応 |
研究概要 |
エバネッセンス顕微鏡の光学系に細胞質部分をより深く照明できる光学系を追加し、両方の光学系で独立に相互に影響を及ぼすことなく蛍光像を記録するために、ガルバノスキャナーによる高速光路切換法を実現してこれを稼動させた。この観察法の特徴として、エバネッセント光の深達度を減衰定数の大きさとして算出して、開口放出の観察を行った。顆粒の反応が起こる位置を推定しながら、その反応パターンとの相関性を解析した。また、フラッシュ反応に対する顆粒内部のpHの効果を調べた。アドレナリン分泌性細胞について、細胞外液のpHの効果を調べたところ、エバネッセント光照明下で見られるフラッシュ型の反応パターンには変化が認められなかった。したがって、フラッシュのように、ほぼ暗黒に突然輝点が生じるのは、顆粒の開口で顆粒内pHが上昇したためではないことが結論された。しかし、INS-1細胞においては、エバネッセント光の深達度を交互に急速に変える方法で、観察すると、素早い移動を示してから開口放出に至るものが少数ながらも認められ、フラッシュはその移動による輝度増大を含むということを完全には否定できなかった。MIN-6細胞においては、顆粒運動が盛んなものが多く、刺激中に、細胞膜面に沿って膜と平行に滑走運動するのが観察された。この運動と開口放出の関係を調べたところ、大部分の顆粒は、滑走運動なしに開口放出反応を示した。滑走運動が停止した直後に開口放出に至ったものは極めて少数であった。これらのことから、エバネッセント照明で見られるフラッシュ型の開口放出反応は、主として放出物質の拡散を見ていることが結論された。(共焦点法の併用は不測の困難のため、代替となる方法を用いた。)
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