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2007 年度 実績報告書

イオンチャネル立体構造の機能的解明:電位センサーが脂質膜内を浮動することの検証

研究課題

研究課題/領域番号 17390056
研究機関広島国際大学

研究代表者

山岡 薫  広島国際大学, 保健医療学部, 教授 (10200586)

研究分担者 山下 修治  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50419991)
キーワードシガトキシン / Naチャネル / 構造活性相関 / テトロドトキシン抵抗性 / 侵害受容 / 電位センサー / 脂質二重膜 / ゲート機構
研究概要

Naチャネルに特異的に作用するシガトキシン類は分子量がおよそ1000で13個の環状構造(A〜M環)がつながった比較的固い構造をもち,脂溶性が高い。そのようなトキシンがNaチャネルの機能を修飾する作用を有するにはシガトキシン分子がNaチャネル分子にどのような機構で結合するのかを突き止めることは大変重要と考える。Naチャネルを含む電位依存性チャネルはもっぱらKチャネルの結晶構造解析によって電位センサー部分とイオンを通す部分(ポア部分)が互いに比較的独立したユニットとして振る舞うことが予想されている。本研究で示したようにCTX3CのB環部分にビオチンを付加すると機能しなくなること,また対側のM環にOH基を付加することがシガトキシンの機能に影響も与えないことから,A-B環側が官能基として重要であることがわかった。さらに中間に位置するF環の構造が本来9員環から8または10員環にすることでも大きくシガトキシンの能力の低下が見られた。F環の構造がA,B環の位置を変化させることがその原因と考えられた。またCTX3Cはテトロドトキシン耐性で侵害受容を司るNa_v1.8にテトロドトキシン感受性のNa_v1.4やNa_v1,2に比べ特異的に強い修飾作用を有し,その作用部位がドメインIIに位置することが示された。このことはシガトキシンによる食中毒(シガテラ中毒)が異常感覚や痛覚過敏を引き起こす理由を説明するとともに,Na_v1.4とNa_v1.8のキメラの実験からそのシガトキシン感受性はNav1.8のドメインII(DII)部分が関係することがわかった。すなわちシガトキシンはDIIの電位センサー部分とポア部分をつなぐどこかのサイトに脂質膜からのルートを通り結合しチャネルの閉状態を不安定化させることが推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Naチャネル機能改変作用におけるシガトキシンアナログ9員環構造の重要性2008

    • 著者名/発表者名
      山岡 薫
    • 学会等名
      第85回日本生理学会大会
    • 発表場所
      東京都京王プラザホテル東京
    • 年月日
      2008-03-25
  • [学会発表] 構造特異的なシガトキシンアナログの作用2008

    • 著者名/発表者名
      山岡 薫
    • 学会等名
      SORST.ジョイントシンポジウム(8)「有機合成力」-そのダイナミズム
    • 発表場所
      東京都コクヨホール
    • 年月日
      2008-01-30

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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