研究課題/領域番号 |
17390061
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
河南 洋 宮崎大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究分担者 |
國武 孝人 宮崎大学, 医学部, 助教 (20234461)
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 講師 (20264377)
白阪 哲朗 宮崎大学, 医学部, 講師 (00274788)
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キーワード | ニューロペプチドW / バゾプレッシン / 視床下部室傍核 / 自由行動・意識下 / 単一ユニット活動記録 / ノックアウト動物 |
研究概要 |
・新規ペプチド、ニューロペプチドW(NPW)の脳内作用部位の一つとして視床下部室傍核ニューロンについて調べた。自由行動・意識下ラットから血圧・心拍数と共に室傍核領域から単一ユニット活動記録を行い、NPW側脳室内投与に対する応答を調べた。NPW投与(3nmo1)により、調べたニューロン35個の内、22個は興奮反応、7個は抑制反応、残り6個は無反応であった。これらのニューロンの自発活動パターンはいずれも非簡欠型であった。これらNPWに応じたニューロンの多くは血圧変動(フェニールエフリンによる血圧上昇、ニトロプルシドによる血圧低下)またコレシストキニン静脈投与に反応した。従ってNPWは視床下部室傍核の循環系あるいは胃腸管系調節に関わるニューロン活動を修飾することが示唆された。 ・パゾプレッシンレセプター1_b欠損マウス(V_<1b>^<-/->)は国立生育医療センター研究所・薬剤治療研究所の田上昭人先生から供与された。パゾプレッシン1_bレセプターの機能については下垂体前葉ACTH分泌への関与はよく知られているが、いまだその他の働きについては不明である。体液バランスと体温調節への関与について検討した。まず安静時における一日あたりの摂食量・飲水量・尿量・尿中ナトリウム・尿中カリウム排泄量測定、テレメーターシステムを用いて運動量と体温測定を行った。V_<1b>^<-/->マウスとコントロールマウス(V_<1b>^<+/+>)間で比較検討を行った。V_<1b>^<-/->マウスでは飲水量と尿量が多く、運動量が多かったが、体温は低かった。次に48時間の絶水負荷に対する変化を調べると、体温低下がより大きかった。パゾプレッシン1_bレセプターは脳内のみならず腎臓にも存在が認められている。中枢パゾプレッシン系が内因性解熱作用を有していること、また飲水誘起作用の報告もあるので、パゾプレッシン1_bレセプターは、体液・体温調節にも関わっている可能性が考えられる。
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