• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

レプチンおよびTNFαによるオレキシン産生神経の制御機構とその生理的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17390063
研究機関筑波大学

研究代表者

桜井 武  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (60251055)

研究分担者 後藤 勝年  筑波大学, 名誉教授 (30012660)
キーワードオレキシン / レプチン / TNF-α / サイトカイン / 睡眠 / PI3キナーゼ
研究概要

GFPをオレキシン神経特異的に発現するトランスジェニックマウスを用いて、スライス標本を作製し、蛍光顕微鏡観察下でパッチクランプを行うことにより、オレキシン神経の電気生理学的な性質と、様々な生理活性物質に対する応答をモニターした。この系に様々な阻害薬を添加し、レプチンによるオレキシン神経の抑制機序を解析した。パッチクランプ実験により、オレキシン神経の100%(n=29)はレプチンによって抑制された。この作用は、逆転電位からK^+チャネルの活性化を介していることが示唆された。また、この作用はK-ATPチャネル開口剤(トルブタミド)、JAK2の阻害剤(AG490)、PI3K阻害剤(Ly294002)、によってそれぞれ完全に阻害されることが明らかになった。さらに、STAT3のconditional knockoutマウスにおいても、レプチンによるオレキシン神経の抑制は観察された。したがって、レプチンはJAK2の活性化、PI3Kの活性化、K-ATPチャネルの開口を介してオレキシン神経を抑制し、この作用にはSTAT3を必要としないということが明らかになった。これらの機構は、CNTF、IL-6やTNFαにおいても同様であった。
これらの事から、レプチン、CNTF、IL-6やTNFαによるオレキシン神経の抑制にPI3キナーゼとK-ATPチャネルの活性化が関与することが明らかになった。また、この系にはSTAT3は必要がないことがわかった。これまで、サイトカインによる神経細胞の調節機構はほとんど解明されていなかった。今回明らかになった機構がオレキシン神経だけではなく、他の神経細胞でも使われている機構であるならば、レプチンなどのサイトカインによる神経細胞の調節機構として大変重要である可能性がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Sleep/wake fragmentation disrupts metabolism in a mouse model of narcolepsy.2007

    • 著者名/発表者名
      Zhang S, Zeitzer JM, Sakurai T他
    • 雑誌名

      J Physiol. 〔Epub ahead of print〕 Mar 22

  • [雑誌論文] Distribution of neuropeptide W immunoreactivity and mRNA in adult rat brain.2006

    • 著者名/発表者名
      Kitamura Y, Tanaka H, Motoike T, Ishii M, Williams SC, Yanagisawa M, Sakurai T.
    • 雑誌名

      Brain Res. 6;1093(1):

      ページ: 123-34

  • [雑誌論文] A neuropeptide ligand of the G protein-coupled receiptor GPR103 regulates feeding, behavioral arousal, and blood pressure in mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Takayasu S, Sakurai T, 他
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci U S A. 103(19)

      ページ: 7438-43

  • [雑誌論文] Orexin neurons are directly and indirectly regulated by catecholamines in a complex manner.2006

    • 著者名/発表者名
      Yamanaka A, Sakurai T.他
    • 雑誌名

      J Neurophysiol 96(1):

      ページ: 284-98

  • [雑誌論文] Des-acyl Ghrelin Induces Food Inrake by a Mechanism Independent of the Growth Hormone Secretagogue Receptor.2006

    • 著者名/発表者名
      Toshinai K, Yamaguchi H, Sakurai T他
    • 雑誌名

      Endocrinology. 147(5):

      ページ: 2306-14

  • [雑誌論文] Orexin neuron-mediated skeletal muscle vasodilation and shift of baroreflex during defense response in mice.2006

    • 著者名/発表者名
      Zhang W, Sakurai T, 他
    • 雑誌名

      Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol. 290(6)

      ページ: R1654-63

  • [図書] Narcolepsy and Hypersomnia2006

    • 著者名/発表者名
      Sakurai T.
    • 総ページ数
      399-410
    • 出版者
      Informa Healthcare

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi