研究課題/領域番号 |
17390072
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高澤 伸 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50187944)
|
研究分担者 |
那谷 耕司 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90202233)
野口 直哉 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20333792)
|
キーワード | リアノジン受容体 / サイクリックADPリボース / CD38 / FKBP12.6 / スプライシング / CICR / 社会認識異常 / 自閉症 |
研究概要 |
リアノジン受容体はCa^<2+>刺激により細胞内Ca^<2+>プールからのCa^<2+>動員(Ca^<2+>-induced Ca^<2+>release; CICR)を引き起こす細胞内Ca^<2+>チャンネルであり、CD38(哺乳動物のサイクリックADPリボース合成・分解酵素)によってNADから作られる細胞内情報伝達物質サイクリックADPリボース感受性のCa^<2+>放出チャンネルで、CD-38-サイクリックADPリボース情報法伝達系の重要な構成成分と考えられている。本研究の目的は2型リアノジン受容体が組織特異的なスプライシングにより2種類の細胞内Ca^<2+>チャンネル(心筋型リアノジン受容体とランゲルハンス島型リアノジン受容体)を生じる機構を明らかにすることである。本年度の研究成果は以下の通りである。 1.2型リアノジン受容体はラットだけでなくヒトやマウスでもランゲルハウス島と心筋では異なったスプライシングが行われていることをRT-PCRで明らかにした。 2.これに対して、リアノジン受容体の重要な調節サブユニットであるFK506結合蛋白質(FKBP)はランゲルハンス島でも心筋でもFKBP12.6が使われており、スプライシングによる調節も受けていなかった。 3.ランゲルハンス島型のリアノジン受容体は心筋型リアノジン受容体に比べてサイクリックADPリボースのCICR増強作用が強く表れる(感受性が高い)ことが明らかになった。 4.脳では主にランゲルハンス島型のリアノジン受容体が発現しており、CD38のノックアウトによりサイクリックADPリボースによるCICRの増強を消失させると、オキシトシンの分泌が低下し、ノックアウトマウスはヒトの自閉症に類似した社会認識以上を示すことが明らかになった。
|