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2005 年度 実績報告書

転写伸長因子Elonginの細胞運命決定における役割

研究課題

研究課題/領域番号 17390082
研究機関高知大学

研究代表者

麻生 悌二郎  高知大学, 医学部, 教授 (20291289)

研究分担者 執印 太郎  高知大学, 医学部, 教授 (80179019)
北嶋 繁孝  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30186241)
キーワードElongin / 転写伸長 / 細胞老化 / アポトーシス / p53 / p38 MAPK
研究概要

我々は、RNAポリメラーゼIIによるmRNAの合成の伸長段階における制御を担う転写伸長因子の機能について解析している。最近、その内の1つであるElongin Aの遺伝子改変マウスを作製したが、ホモ欠失マウスはアポトーシス亢進によると考えられる全身性の低形成のために胎生10.5日頃に致死となり、同胎仔由来の線維芽細胞(MEF)はアポトーシス亢進に加えて細胞早期老化の表現型を示すことが判明した。Western blot解析の結果、ホモ欠失型の胎仔ではp53の活性化をきたし、同MEFではp53に加えてp38 MAPKの活性化を伴うことが明らかになった。p53活性化の原因として、Elongin Aの欠失によるゲノム不安定性の誘導を疑い、DNAの複製速度を調べたところ、ホモ欠失型細胞において有意な低下が認められ、停止した転写伸長複合体がDNA複製フォーク進行の障害となっている可能性が示唆された。次いで、p53、p38 MAPK各々の阻害剤であるpifithrin-αとSB203580とを用いてホモ欠失型MEFの救済実験を行ったところ、細胞早期老化の表現型は両剤の添加により救済されたが、アポトーシスは救済されず、アポトーシス誘導にはこれら以外のシグナル分子も関与している可能性が示唆された。また、野生型とホモ欠失型の胎仔間でDNA Microarray解析を実施した結果、ホモ欠失型胎仔において低酸素で誘導される遺伝子群の発現が有意に増加していることが判明した。現在このメカニズムについて解析中であるが、少なくとも転写因子HIF-1αやHIF-2α蛋白のホモ欠失型胎仔における発現の上昇は認められず、これら因子の関与は否定的である。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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