研究課題/領域番号 |
17390093
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研究機関 | 帝塚山大学 |
研究代表者 |
岡本 光弘 帝塚山大学, 現代生活学部, 教授 (90028613)
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研究分担者 |
竹森 洋 独立行政法人医薬基盤研究所, 基盤的研究部, プロジェクトリーダー (90273672)
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キーワード | 塩誘導性キナーゼ / サイクリックAMP / CREB / TORC / プロテインキナーゼ / LKB1 / ステロイドホルモン / 転写共役因子 |
研究概要 |
本基盤研究ではこれまで2年間にわたって主に培養細胞レベルで実験を行った。その結果、細胞内でLKB1-SIK-TORCという新規のシグナルカスケードが作動することによりcAMPによる遺伝子の転写が調節されることを示してきた。平成19年度(最終年度)にはようやく遺伝子破壊マウスを実験に使用することができるようになった。そこでLKB-SIK-TORC-CREBという遺伝子転写シグナルの伝達機構を細胞レベルだけでなく実験動物のレベルで解析することを試みた。 SIK2遺伝子破壊マウスにおいては、SIK2以外のSIKアイソフォームの発現は正常であった。またTORC-CREB経路もその下流にあるほとんどの遺伝子発現において正常に機能することが明らかとなった。これはたとえSIK2が機能しなくても、このシグナルカスケードにおいてSIK2以外の他のSIKアイソフォームが代償的に働くためと予想される。一方、我々が全てのSIKシグナルを阻害することを見いだしたスタウロスポリンで動物を処置すると、肝臓において糖新生酵素が高レベルで誘導された。これはTORCの脱リン酸化が起こることによるものである。このときCREBのSer133はリン酸化されていない。これらの結果は、これまで重要視されて来たCREBのSer133リン酸化による活性化という説明を再検討する必要があることを示唆している。 今後、SIK遺伝子破壊マウスの作成をさらに進めて、それらの生理機能の解析を行う予定である。
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